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2025.11.17 11:30

AIエージェントの導入で成功した企業は、「これ」が異なる

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AIエージェントのオーケストレーションにMECEフレームワークを用いる

ランドグレンのアプローチは、この「エージェント軍」を効果的に管理するためにMECEフレームワークに依拠している(MECEはMutually Exclusive, Collectively Exhaustiveの略称。相互に重複せず、全体として漏れがないといった意味。ロジカルシンキングの一手法ともされる)。「大きな問題をMECEの枠組みで分解するのが役立ちます。各部分は相互に重複してはならず、しかし全体として主要な問いに答えるためのすべての答えを与えなければなりません」と彼は述べた。

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各AIエージェントには、その担当タスクに応じた具体的な指示が与えられる。エージェントは調査結果を親マネージャーに報告し、親マネージャーはさらに上位に報告し、最終的に詳細な投資分析が生み出される。別のエージェントがこのアウトプットを要約し、読みやすい信用メモや投資メモのインタラクティブ版にまとめる。

この構造化されたアプローチにより、銀行や投資家は、自らの要件に合わせて詳細な投資分析プロセスを定義できる。アナリストの役割全体を自動化しようとするやり方では不可能だったことだ。

「データドリブン」な意思決定は下振れリスクを抑える

投資家でもあるランドグレンにとって、この「データドリブン」なアプローチは二重の目的を果たす。すべての予想外の好成績を必ずしも見つけ出せるわけではないが、「それを見つけ出す助けには確実になり、また人間のバイアスを取り除くことで、望ましくない企業に投資してしまう場合の『下振れ』リスクを確実に減らせます」と述べる。

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このシステムは、創り手である彼自身をも驚かせた。ランドグレンは、感情移入していた、ある投資を再考させられた事例もあることを認めた。ある企業の創業者が好きでアイデアも気に入っていたものの、システムの分析によって投資仮説の根本的な欠陥が明らかになったためだ。

AIエージェントを人間の能力を高める協働者として扱う

エージェント型AIは、人間の判断そのものを丸ごと再現しようとするのではなく、複数の専門タスクを管理することで、新たな自動化の可能性を開く。Gilionのようなスタートアップは、機械が得意とすることを中心に業務を最初から設計し、そのうえで重要な場面には人間の専門性を加えている。

一方で、既存の大企業にとっては課題がより複雑だ。人員削減→ギャップの発見→再雇用という循環に陥らずに、同様のタスクベースの自動化をどう実装するかである。答えは、AIエージェントを人間の能力を高める協働者として扱い、置き換える存在として扱わないことにある──この点が、成功裏の導入と高くつく失敗とを分ける。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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