先週とても明るく輝いていたスーパームーンは半分に欠け、かに座の美しい散開星団と束の間の共演を披露したのち、しし座からおとめ座へと通り抜けながら、ほっそりした有明の月へと姿を変えてゆく。暗さを取り戻した夜空では「しし座流星群」が極大を迎える。2025年11月11日からの1週間の夜空の見どころをまとめた。
11月11日(火):月とプレセペ星団
深夜頃、ほぼ半分に欠けた月が、かに座のプレセペ星団(M44)の近くに昇る。英語で「蜂の巣(ビーハイブ)」の名を冠するこの散開星団のきらめきは、月明かりのそばでは見つけにくいので、双眼鏡が大活躍する。
今夜中に探しきれなくても、ぜひその位置を把握しておこう。暗い空でなら、プレセペ星団は肉眼でもぼんやりとした斑点のように見える。月の光が弱くなった今週後半に、もういちど観察に挑戦してみてほしい。
11月12日(水):下弦の月
向かって右半分が欠けた下弦の月が夜遅くに昇る。これ以降、月の出はどんどん遅くなり、星空観察におあつらえ向きの暗い夜空が戻ってくる。
11月13日(木):細い月とレグルス
夜明け前の南東の空で、月齢22の少し欠けた半月がしし座の1等星レグルスに大接近する。レグルスは太陽の天球上における通り道である黄道の近くにあり、月の軌道(白道)と接近・交差しやすい。月や太陽系惑星と夜空でランデブーすることの多い明るい星として知られている。(編集部注:夜明け後の午前10時ごろ、月がレグルスを隠す「レグルス食」が起こる。関東甲信越以北で、天体望遠鏡で観測可能)
11月17日(月)~18日(火):しし座流星群が極大
しし座流星群が17~18日の夜に見ごろを迎える。極大時刻は18日午前3時頃で、暗い空でなら1時間に最大15個程度の流星が出現する。母天体はテンペル・タットル彗星(55P/Tempel-Tuttle)。
しし座流星群は大気圏への突入速度(対地速度)が速く、夜空に尾のように長く光る軌跡(流星痕)を残すことで知られる。今年は、壮大な数の流星が降り注ぐ「流星嵐」の発生周期と重なってはいないが、観測条件は良い。流星数が最も増えるのは未明~明け方になる。街明かりなどが邪魔にならない場所を選び、防寒対策をして観測に挑もう。頭上全体を広く見渡すと流れ星を見つけられるチャンスが高くなる。



