かつてのアイドル文化は、その名の通り「偶像」であり「疑似恋愛の対象」や「熱狂的な信仰」といったイメージで語られることが多かった。しかし、デジタルネイティブであるZ世代(18歳〜24歳)が牽引する現代の「推し活」は、その価値観が大きく変容している。Z世代創造性研究所が実施した意識調査で、彼らにとってのアイドルが、もはや個人的な夢を託す対象ではなく、人生を豊かにする「コンテンツ」として冷静に受容されている実態を明らかになった。
Z世代が「推し」の存在をどのように捉えているか、という問いに対し、61%という圧倒的多数が「最高のコンテンツ」と回答した。一方で、かつてのアイドル観を象徴する「疑似恋愛の相手」と回答したZ世代は、わずか5%に留まっている。この数値は、Z世代のファン像が、アイドルと自身の距離感を適切に保ち、エンターテイメントとして評価するという、極めて成熟した文化であることを示唆している。

その冷静な視点は、アイドルのプライベートに対しても向けられる。熱愛報道が出た際の反応についても、52%の人が「個人の幸せなので、祝福したい」と回答し、「ショックでファンを辞める」という回答を大きく上回った。Z世代にとって推し活は、自らの人生を豊かにする趣味であり、アイドル自身の幸福を尊重する姿勢が文化として定着しているようだ。

Z世代がアイドルに求める価値も、外見的な魅力よりも実力や内面性に重点が置かれている。「アイドルに求める最も重要なこと」として、30%の人が「圧倒的なパフォーマンス」をトップに挙げた。これに対し、「常に完璧なビジュアル」と回答したZ世代はわずか7%と、最も低い結果となっている。




