健康

2025.11.14 09:15

加齢による「お腹の脂肪」に漢方薬「防風通聖散」が効くメカニズム

Getty Images

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お腹の脂肪を減らしてくれる漢方薬をネットで検索すると、さまざまなメーカーから発売されている「防風通聖散」(ぼうふうつうしょうさん)がたくさん出てくる。一般医薬品なので厚生労働省も肥満症への効果を認めているが、誰でもテキメンに痩せるというものではなさそうだ。しかし、小林製薬と近畿大学による研究グループは、加齢によって蓄積する過剰な内臓脂肪に効果があることを発見した。

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防風通聖散は18種類の生薬を配合した漢方薬。厚生労働省の資料によれば効能は、「体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症状:高血圧症や肥満にともなう動悸、肩こり、のぼせ、むくみ、便秘、蓄膿症、湿疹、皮膚炎、ふきでもの、肥満症」ということで、痩せることが主たる目的ではなく、肥満症は効果のひとつに過ぎない。

だが研究グループは、その皮下脂肪の蓄積や肝臓などに脂肪が溜まる異所性脂肪の抑制効果に着目した。とくに加齢によって生じるこれらの症状は、肝機能の悪化など深刻な影響をもたらす。そこで研究グループは、若いマウスと加齢して肥満になったマウスを使って実験を行ったところ、防風通聖散は加齢による内臓脂肪量を大きく低下させることがわかった。

また、肝臓に溜まる中性脂肪のかたまり「脂肪滴」により悪化していた肝機能マーカーであるASTとALTも改善された。

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脂肪の代謝は加齢によって低下し、燃焼することなく体に溜め込まれる。その原因となるのが、褐色脂肪細胞を燃焼させるタンパク質UCP1の発現量の低下だ。研究グループは、愛知学院大学の協力で、防風通聖散がUCP1を回復させることも突き止めた。

この結果は、肥満を気にする高齢者にとって希望の光のように思える。ただし、防風通聖散は漢方薬なので体質に合わないことがある。また医薬品なので副作用もある。服用される場合はくれぐれも慎重に。基礎疾患がある人は、まず医師に相談してほしい。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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