本当の持続可能性ってなんだろう
――ブランド立ち上げの強い動機の一つに、「海洋保護団体へ売り上げの一部を寄付したい」という気持ちがあったそうですね。
小澤:きっかけは、海岸のプラスチックごみを集めて加工し、可愛いお皿などに変えている団体を知ったことでした。「海洋プラスチック問題では、魚がマイクロプラスチックを食べ、それを人間が食べることになる。この循環はやっぱりどう考えても良くない」。素朴にそう思いました。
アパレルブランドを立ち上げ、その売り上げの一部を寄付したい。そんな話をボストン時代の友人で、エシカルディレクターの坂口真生(GENERATION TIME代表)に話してみたら、「じゃあ、オーガビッツ(ORGABITS)」だ、と。
――綿屋を祖業とする豊島(とよしま)が取り組むオーガニックコットン普及プロジェクト「オーガビッツ」と、どんな展開を目指してきたいですか。
小澤:オーガビッツのシステムは、「100%オーガニックコットンのものを1人に使うよりもオーガニックコットン10%使用したものをたくさんの方々に、生産するプロダクトのなかで使われるオーガニックコットンの量を少しでも増やして、コットンフィールド農家の方を少しずつ支援しよう」というもの。それってまさに持続可能性ってことだと思うんです。
健康的に、ちょっとずつでいいから、明日が少し元気になればいいなと。AKAPANブランドも、ゆっくりした感じで貢献できることをやりたいなと思ってます。豊島さんにはECサイトでの販売など商品窓口としてお世話になってます。
――持続可能な事業を見据えたAKAPANですが、今後はどんな夢を広げているんでしょうか。
小澤:AKAPANブランドなのに黒いパンツを作るとか(笑)。海外の人にとってはAKAPAN=赤いパンツじゃないですからね。AKAPANって語感から日本のクールさ、カッコ良さ、伝統を感じてくれたり、面白がってくれたりするファンが増えればうれしいですよね。
あと、ユニセックス商品やパンツのみならずTシャツ、そして赤いふんどしに「事業拡大」できたらいいですね。そのために、AKAPANのファウンダー兼ディレクターとして、締め込みをキツくしていきたいですね(笑)。

おざわ・ゆきよし◎1974年生まれ、カリフォルニア州出身。98年にNHK大河ドラマ「徳川慶喜」で沖田総司役としてデビュー。翌年、崔洋一監督作品『豚の報い』で映画初主演を果たし個性派俳優として高く評価される。近作ではドラマ『こんばんは、朝山家です。』、映画『ベートーヴェン捏造』に出演。『サタデーLIVEニュース ジグザグ』キャスターも務める。


