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2025.11.11 09:30

グーグルのAI「Gemini」がGmailを読めるように──注意点は?

Thrive Studios ID / Shutterstock.com

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グーグルのGmailは、間違いなく世界で最も利用されている無料のメールサービスであり、1日あたりほぼ20億人が使っているという。この数字を踏まえれば、Gmailがハッカーや詐欺師、そのほかの脅威の格好の標的である理由がわかるはずだ。残念ながら、そして必然的に、今や脅威の多くはAIツールによって駆動されている。

だからこそ今週、「グーグルが同社の『Gemini Deep Research』にGmailのメッセージ、さらにGoogle ドキュメント、Google ドライブ、Google Chatのデータまで読ませるようにしている」というニュースに懸念が広がったわけだ。とはいえ、プライバシーとセキュリティに関して重要な但し書きがある。まずユーザーが許可を与える必要があるという点だ。以下に知っておくべきことを示す。

グーグル『Gemini Deep Research』はGmailから文脈を引き出せる――ただし、ユーザーによる選択が必須

AIは、好き嫌いはさておき、今や誰もが使っている。そしてグーグルが開発していることから、Geminiは数あるAIリサーチツールの中でも最も人気のある存在の1つだ。だからこそ、米国時間11月5日のグーグルの発表について、複数の媒体が「Gemini Deep Researchは、Gmail、Google ドライブ、Google Chatから文脈を取得し、それを調査に直接反映できる」と報じたあとで、私の受信箱がいっぱいになったのだと思う。心配するフォロワーが、「GeminiがGmailメッセージを読むのを止めるために何かすべきか」と問い合わせてきたのだ。

懸念は理解できる。というのも、皮肉なことに、文脈を欠いたままだと、これはプライバシーとセキュリティの両面で実に悪いニュースに見えるからだ。皮肉だと言うのは、結局のところ、すべては文脈に尽きるからである。もし「Gmail、Google ドライブ[Google ドキュメント、Google スライド、Google スプレッドシート、PDFを含む]およびGoogle Chat」から情報を直接取り込み、Gemini Deep Researchに最も包括的なレポートを作成させたいなら、それは可能だ。

だが、ここで私が目にしたいくつかの記事から抜け落ちている重要な文脈がある。すなわち、「デスクトップ版のGeminiでツールメニューからDeep Researchを選び、ソースを選択した」場合に限るという点である。

そう、許可を与えたときに限るのだ。それだけのことだ。これはデータのひったくりではなく、むしろ逆である。そもそも、やり方さえ知っていれば、いかなる形でもGeminiを使う必要はないし、いかなるデータへのアクセスも許す必要はない。Gmail、Chrome、Google ドキュメント、Google ドライブ、Google フォトに対しては、容易に無効化できる。また、「Gemini アプリのプライバシー ハブ」にある情報も活用すべきだ。もっとも、グーグルは次のようにも述べている。「審査担当者に見られたくない機密情報、あるいは当社のサービス(機械学習技術を含む)を改善するためにグーグルに利用されたくない機密情報は入力しないでください」。つまり、そういうことだ……。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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