最高裁の判決はいつ出るのか
通常、最高裁が口頭弁論を開いてから判決を下すまでには数カ月かかる。最高裁の現会期は来年6月までなので、遅くともそれまでに判決が下るとみられる。
ただ、最高裁がこれらの関税訴訟を9月に受理し、11月に口頭弁論を開くなど迅速に審理を進めていることからは、通常よりも早く判決を下す姿勢なのがうかがえる。年内に判決が出る可能性もあるものの、具体的な時期は依然として不明だ。
関税が再導入される可能性は?
トランプ政権の高官は、最高裁での訴訟で敗訴した場合、別の法律に基づいて関税を再導入する意向を明らかにしている。スコット・ベッセント米財務長官は口頭弁論に先だち、輸入業者や貿易相手国・地域は「関税は今後も続くと想定しておくべきだ」とロイター通信に語っている。
今回の訴訟の争点は、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて関税を課す権限が大統領にあるのかという点だ。IEEPAは、国家の緊急事態の際に大統領が経済制裁や輸出入制限を行うことを認めている。トランプはこの法律を根拠に、ほぼ制限なく広範な関税を課す権限を主張し、米国に対する不公正な貿易慣行という「緊急事態」のもとで関税は正当化されるとしている。
下級審に続いて最高裁でも、大統領がIEEPAを根拠に関税を課すことはできないという判断が示されれば、トランプ政権は代わりに、より明示的に大統領に関税権限を与えているほかの連邦法に基づく関税を再導入する可能性がある。たとえば、特定の分野に関して大統領が関税を課すことを認めた法律などだ。これらの法律は制約も多く、実施までに時間もかかるため、トランプがこれまでのような広範な関税を課すのはより難しくなるが、不可能ではない。
現行関税が無効にされた場合、消費者への影響は?
最高裁がIEEPAに基づく関税を無効にした場合、消費者は短期的にはトランプによる広範な関税の負担を軽減されるかもしれない。代替の関税が導入されても、すぐに発効する見込みは薄いからだ。
再導入される関税は、IEEPAに基づいて課された一律関税と異なり、さまざまな分野や貿易相手国・地域ごとに個別に課されることになる、したがって、現在関税を課されている品目の一部は除外され、ほかは継続されるといった事態や、品目によっては関税の実施までに時間がかかることなども考えられる。


