長い間、男女の恋愛はあまりにもお馴染みの秩序に従ってきた。男性は常に女性よりも年上で、お金を多く持っており、実際、守ったり何かを与えたりする役割を果たしていた。ご存知のとおり、女性は男性より年下であることが多く、持っているリソースも少なかった。そのため、女性は男性に依存し、男性を支える役割を果たすのが一般的だった。
この時代遅れのシナリオは完全になくなってはいないが、新たなシナリオがゆっくりと、だが確実に広がっている。女性が自分より若いパートナーを選ぶ「逆年の差カップル」の傾向が見られるようになっている。かつては型破りとされていたことがいまや文化的に適切だとみなされつつあり、愛やジェンダー、力に対する考えの大転換を反映している。
こうした変化はより深い心理・社会的変容の反映だ。この変化の背景にある5つの理由を紹介しよう。
1. 安定から自己拡大へのシフト
恋愛関係は従来、生存と安全の上に築かれ、女性はその安定を与えてくれる男性に頼らなければならないことが多かった。だが今日、状況は大きく変化している。女性はいま、経済的に自立し、社会で自由に行動でき、心理的に自己を認識している。自分で安定を確保することで女性たちが愛に求めるものは安全から自己拡大へと進化している。
共に心理学者のアーサー・アロンとエレイン・アロンの自己拡大モデルはこの変化を説明するのに役立つ。人間は本質的に自分の視野やスキル、自己効力感を広げようとする生き物で、親密な恋愛関係はそのための主要な空間だ、というのが自己拡大モデルだ。アロン夫妻はこのプロセスを「自己の中への他者の取り込み」と呼んでおり、カップルは互いの経験や強みを徐々に自分のアイデンティティに統合していく。
経済的な依存が関係を決めていた時代には、愛は安定をもたらす手段として機能していた。現代では成長のための手段となっている。若い人は好奇心や開放性、柔軟性を備えていることが多く、それらは刷新と心理的活力を求める女性にとって重要な資質でもある。魅力は単に若さにあるのではなく、若さを象徴する膨張エネルギーにある。
要するに、安全がもはや目標でないとき、愛はもっと自分らしくなるための手段となる。
2. 力の役割と感情の公平性の再定義
逆年の差カップルは力の修正を示すものでもある。従来は年上である男性がより多くの社会的資本や経済的な影響力、そして多くの意味での関係における感情の支配力を持っていた。だが関係が平等になるにつれ、女性は社会的にも経済的にも、もはや「結婚する」必要がなくなった。
最近の進歩的な若い男性は感情指数が高い傾向にあり、そのため支配的というよりはむしろ開放的で共感的な関係を築こうとする傾向がある。パートナーを対等な存在とみなし、家事や感情的労働を分担する傾向が強い。「感情面での公平」におけるこの変化は、多くの逆年の差カップルの土台になっている。



