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2025.11.13 09:15

街に溶け込む防犯カメラ。高まる貢献度と意識の裏側にある「複雑な感情」

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一方で、防犯カメラの存在を「不快」に感じる人ももちろん存在する。全体の15.0%と少数だが、若い世代で高い傾向となっている。さらに興味深いのは、不快だと感じている人の中で、同時に「安心だ」と回答した人が67.4%に達している点だ。不快感と安心感を同時に覚える、防犯カメラへの複雑な感情を持つ、現代社会のジレンマとも言えるだろう。

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公的な場所に限らず、個人レベルでの防犯意識も高まりを見せている。自宅に防犯カメラを設置している人は、集合住宅で最初から設置されていた場合も含めると26.8%にのぼる。約4分の1以上の世帯で、すでに防犯カメラが導入されている実態だ。

防犯カメラは、人々の意識から特別なものとして扱われなくなりつつある一方で、その社会的な貢献度は高まり続けている。安心感が高い反面、不快感を持つ人が一定数おり、その多くが「安心」も同時に感じているという、複雑な感情の構造が明らかになった。

防犯カメラが「見守りの目」として、そして「証拠保全のツール」として不可欠な存在となる中、技術の進化は、個人の安心感と不快感のバランスをどのように変化させていくのか、今後の動向が注目される。

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出典:ALSOK「第3回 防犯カメラに関する意識調査」より

文=飯島範久

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