テクノロジー

2025.11.12 13:30

エヌビディアとアマゾンが支援、注目のロボット系スタートアップ8社

Igor Borisenko / Getty Images

4. Generalist AI:人間のように学ぶロボットの実現

現在のロボットは多くが知能の低いスペシャリストにとどまっている。Generalist AI(ジェネラリスト・エーアイ)は、それらを人間のような学習者にしたいと考える。同社はロボティクス向けの基盤モデル・アーキテクチャを構築しており、機械が複数のタスクを習得し、新たなタスクにも適応できるようにする。

advertisement

5. RobCo:中小工場向けモジュール型オートメーション

ドイツのスタートアップRobCo(ロブコ)は、中小規模の製造業向けにモジュール式ロボットアームとローコードのソフトウェアを提供する。各アームは新たなタスクに合わせて再構成でき、中小企業に手頃で柔軟な自動化をもたらす。ロボットは非常に高価で中小には手が届かないことが多いが、これは産業のロングテールにフィジカルAIを広げる「ロボティクスの民主化」となり得る。

6. Tutor Intelligence:サービスとしての倉庫自動化

Tutor Intelligence(チューター・インテリジェンス)は、荷積みや物流を処理するAI駆動の倉庫ロボットを構築する。これらのシステムはコンピュータビジョンと強化学習を用い、サブスクリプション・サービスとして提供される。

7. Wandercraft:可動性を回復する電動外骨格

パリ拠点のWandercraft(ワンダークラフト)は、可動性に障害のある人々がより自然に立ち、歩けるようにする電動外骨格を設計する。同社の自己バランス型設計は、ロボティクス、制御理論、AIを融合し、運動機能を回復させる。

advertisement

8. Zordi:自律型農業ロボット

Zordi(ゾルディ)は、作物をモニタリングし、成熟度を検知し、安全に収穫する農業ロボットを開発する。同社は温室や圃場に自動化をもたらし、廃棄や投入コストの削減に寄与する。

3つの大きな力が収束

ラシッドによれば、現在この分野に巨大なチャンスがあるのは、3つの大きな力が収束しているからだ。富裕国での人口高齢化に伴う労働力不足の深刻化、センサーやカメラ、プロセッサ、モーターといったロボット用ハードウェアのコスト低下、そしてロボットの訓練や知能付与をこれまでよりはるかに容易にする、生成AIとエージェント型AIの高度化である。

しかし、まだ初期段階であるのも事実だ。

「エージェント型AIについては、まだ非常に初期段階にあると感じているが、フィジカルAIはさらに初期段階にある」とラシッドは語る。

この先の未来には、多様なタイプのロボットが登場することになる。

ラシッドは、ロボティクスの未来には汎用ロボットと高度に特化したロボットの双方が含まれると見る。彼の見立てでは、フィジカルAIはすでに生成AIで見られるパターンをなぞることになる。すなわち、あるシステムは幅広く適応的で、多様な環境でさまざまなタスクを処理できる一方、別のシステムは非常に特定の高精度作業に向けて訓練・最適化されるという構図である。

どちらのタイプも不可欠だ。汎用ロボットは柔軟性とスケールを提供し、専門特化型ロボットは繊細または高度な技能を要する業務に必要な精度と信頼性をもたらす。

今回の8社は、今年後半にフェローシップを修了する見込みである。来年に向けて、アマゾンはさらに多くのエンタープライズ企業をプログラムに招き入れることを検討している。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事