ホワイトハウス顧問のケビン・ハセットは米国時間11月7日、政府閉鎖の影響は「われわれの予想よりはるかに悪い」と述べ、閉鎖が長引けば航空業界は「少なくとも短期的な落ち込み」を招く可能性があると警告した。
第4四半期のGDP予測半減、長期化が経済各分野に打撃
国家経済会議(NEC)委員長のハセットはフォックスニュースに対し、閉鎖の影響が当初の想定より深刻なのは「予想以上に長引いているから」と説明し、第4四半期の米国の実質GDP成長率は当初見積もりだった3%の半分になると予測した。
航空輸送の混乱が「あと1〜2週間」続けば、「少なくとも短期的な落ち込みがあるといえる」とハセットは述べた。米国史上最長となった政府閉鎖は38日を超え、週末を通して継続すると見込まれている。
雇用市場や建設プロジェクトの減速に言及し、ハセットは「景気後退に見える一角が出始めている」と述べ、スコット・ベッセント財務長官が以前示した評価を繰り返した。その上で、「肝心な点は、政府機関を再開できさえすれば経済は回復し、われわれはうまくやっていけるということだ」と付け加えた。
ハセットは、「常態化した」政府閉鎖のために「政府の労働力に何が起きるのか本当に心配だ」と述べ、連邦政府で働こうとする人々を思いとどまらせる恐れがあると警告した。
先週、連邦準備制度理事会(FRB)が、従来の予想どおり12月に利下げを行わない可能性に言及したことを嘆き、ハセットは「非常に失望した」と述べ、政府閉鎖によって「FRBは利下げに踏み切りやすくなるはずだ」と主張した。
米消費者信頼感指数が3年ぶりの低水準
50.3。これは金曜に発表されたミシガン大学の調査による最新の米消費者信頼感指数で、3年ぶりの低水準である。米国民の指数は10月の53.6から低下し、2022年6月に記録した過去最低の50に近づいた。
政府再開案、上院での可決は見通し立たず
上院は米国時間11月7日、政府の再開を図る共和党の歳出案について15回目の採決を行う見通しだが、成立に必要な60票に達するだけの民主党の支持を得られる可能性は低いとみられている。
航空管制官不足により、主要空港でフライト削減へ
運輸長官のショーン・ダフィーと連邦航空局(FAA)長官のブライアン・ベッドフォードは、無給で勤務している航空管制官の欠勤が増えて人手不足が深刻化していることへの対応として、今後数日で「影響が大きい」空港における運航便を最大10%削減するとトランプ政権が表明したと述べた。ダフィーは、削減は米国時間11月7日に4%で開始し、その後数日にかけて10%まで段階的に拡大すると説明した。
議会の予算案対立と連邦職員の現状
新たな歳出計画で議会が合意に至らなかったため、政府は米国時間10月1日に閉鎖に入った。民主党の多くは、年末に失効する医療保険制度改革法(Affordable Care Act、オバマケア)の補助金の延長がなく、かつ共和党が年初に実施したメディケイド(Medicaid。低所得者向け公的医療保険)の一部削減を撤回しない限り、11月21日までのつなぎ予算で政府を資金手当てする共和党案への賛成を拒んでいる。政府閉鎖中、連邦政府職員のおよそ半数が一時帰休となり、残り半数は軍人を除いて無給で勤務している。トランプ政権はこれまでのところ軍人への給与支払いの手当てを見いだしたが、政府が再開しなければ11月中旬の給与が支払われない可能性があると警告している。



