米国のシンガーソングライター、ブルース・スプリングスティーンの伝記映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』は、その制作費の大半がボス(スプリングスティーンのニックネーム)の故郷であるニュージャージー州で遣われた。ほとんどの米国の大手映画製作会社が、国外で作品を撮影するようになっている現在では珍しいことだ。
ジェレミー・アレン・ホワイトが若き日のブルース・スプリングスティーンを演じるこの映画は、ロックの殿堂入りミュージシャンが、6枚目のアルバム『ネブラスカ』の制作に取り組んだ1980年代初頭の2年間に焦点を当てた作品だ。米国では10月25日に劇場公開された(日本では11⽉14⽇より全国ロードショー)。
『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』は、スプリングスティーンが幼き日の痛みを、どのようにして『ネブラスカ』の制作に昇華させたか、それを掘り下げるために彼の父親ダグ(ティーヴン・グレアム)や母親アデル(ギャビー・ホフマン)との関わりを描いた回想シーンが織り交ぜられている。ブルースの幼少時代はマシュー・アンソニー・ペリカーノ・ジュニアが演じ、1980年代初めの恋人フェイ役にはオデッサ・ヤング、マネージャーのジョン・ランダウ役にはジェレミー・ストロングが起用された。
米エンタメ誌『バラエティ』によると、『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』には5500万ドル(約84億円)の制作費が投じられたという。しかし、多くの映画製作会社が制作費の大半を米国外での撮影に費やす時代に、20世紀スタジオが製作したこの作品では、制作費のほとんどがスプリングスティーンの故郷であるニュージャージー州で遣われた。



