著者は、TOEFL iBT 34点(TOEIC 330点相当)からスタートの非ネイティブにして、某米国大手EC企業本社で2年連続、年間MVP受賞(詳しくは「英語を諦めたら、米国本社で年間MVPをもらえた話」参照)。
2年ほど前、妻から「フランスで働くこと」への相談を受けたことをきっかけに、現職の企業、他企業を含めてヨーロッパでの就職先探しを開始、約1年後、時計・宝飾品事業の欧州統括部長ポジションで合格。拠点は欧州内どこでも選べるのでパリ拠点を選択、現在に至る。じき5歳になる「パリジェンヌ」の娘と3人暮らしです。
本来お酒を飲める人による「あえてお酒を飲まない」という選択
筆者が勤務する米国系IT企業にて、全世界から選定・招集されたチームでAI利活用について議論するべく、ロンドン出張をしてきました。
驚いたのは事後の懇親会が、ビール、ワイン、カクテル全てノンアルコールのハラル・レバノン料理店であったこと。後述しますが、アルコールが日常生活・血液の一部となっている筆者にとってはやや辛い場でした。
考えてみれば、イギリスはもちろん、ヨーロッパでは、多言語・多民族・多宗教・多様な食文化が混在する場面に日常的に遭遇し、懇親会等集団で会すると国籍が10を超えることも珍しくありません。食習慣・アレルギーや宗教上の理由等からベジタリアン、ぺスカタリアン、ハラル、グルテンフリー等、異なる選択をしているメンバーが混在。もちろん、宗教上の理由、健康上の理由を問わずアルコールについても嗜好は多様です。
そんな背景もあって、日本では馴染みが薄いレバノン料理ですが、元々多宗教の混在、野菜・豆を中心とするベジタリアン・ヴィーガン対応が容易であるという特徴を活かして、「ノンアルのハラル・レバノン料理」がヨーロッパ社会に浸透し、打ち上げのお店選びやお店との細かい調整が面倒になった場合の、幹事の味方としても重宝されています。
さて、「健康維持」や「自己管理」が重要なテーマとなっている今、世界的に注目されるライフスタイルの一つに「ソバーキュリアス」があります。これは、本来お酒を飲める人が「あえてお酒を飲まない」という選択をするというもの。イギリスも、かの「ドライ・ジャニュアリー」(飲み過ぎがちなクリスマス・忘年会シーズンからのリセットや節制で、毎年1月の1カ月間、アルコールを断つ取り組み。2013年にイギリスのNPO団体「Alcohol Change UK」が提唱したムーブメント)発祥の地でもあります。



