食&酒

2025.11.21 15:15

GAFA某企業「打上げでノンアル急増」の理由と、ワイン大国での僕の断酒手記

筆者(後ろの左)。職場の同僚と

周囲の友人らとの「関係再構築」、意外なメリットも

意外なことに、断酒の一番の収穫は周囲の友人らとの関係再構築や新たな一面をみれたこと、でした。

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周囲の協力や外圧を得るためにも断酒はオープンに実施するのがお勧めですが、私の場合は、断酒宣言後、友人・家族や仕事の取引先からも様々な反応を頂きました。断酒はトライした・している人も想像以上に多いようで、普段連絡が疎遠であった面々からも反応をもらえ、旧交を温めるきっかけにも。

とはいえ、類友でお酒好きに囲まれているせいか、多くの反応は、「アルコール分解酵素がある方は毎日飲んでも問題ありません。断酒ストレスの方が良くないですよ」、「(ヨーロッパで2000年以上も前から肝機能改善の治療として愛用されてきた西洋ハーブ/ミルクシスルの種に含まれる)シリマリンのサプリ、肝機能保護にお勧めです」と論理的に飲酒を訴求してくるケースや、「断酒頑張って。秋にむかご収穫してむかご酒飲もう」といった、応援なのか誘惑なのか分からないメッセージや、果てには、一番の応援団と期待していたパートナーに至っては、私が断酒を始めたことを知ると、普段は飲まないのに、わざわざ目の前で韓国焼肉とマッコリを美味しそうに飲み始める始末。

応援してもらった、というよりは、みんな面白がっていたのでは、というのが率直な感想ですが、総じて「関心を持ってもらえて、話のきっかけになる」、「コミュニケーションの再構築・補完や友人達と互いの新たな一面を知れる」というのは、断酒をして初めて気付いた大きな収穫です。

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韓国料理でマッコリを見せつけるパートナー。筆者はゆずジンジャーでしのぐ
韓国料理でマッコリを見せつけるパートナー。筆者はゆずジンジャーでしのぐ

1週間の「心身変化」を報告しよう

1~2日目は、思い付きで始めた副作用で、夏季休暇中に仕入れた各国のビール・ワイン・蒸留酒等が家の中に乱立しており、嫌でも目についてしまう。みるだけで辛いので、冷蔵庫から出して目の届かないところへ移動することから始めるが、思い付きで断酒をするものではないな、と反省。

フランスではカフェ文化(各種お酒含む)が根付いていることから、仕事後オフィス近くのローカルバー、テニス後、また、保育園でお迎え後に子供同伴での一杯、などが生活習慣となっており、何なら、ビールを美味しく飲むために仕事や運動をしているような状況であったことから、断酒のメリットなどというものは感じられず、ただひたすらデメリット(精神修行)を耐えるのみ。

この期間は、夜中に目が覚めたり、疲れとアルコール不足により力が出ない錯覚がある、厳しい時期(ただの寝不足という話も)。

3~5日目は、睡眠が深まってきた感覚があり、食欲が増した(戻ってきた?)ようでご飯を2杯ほど食べるようになりました。早起きができるようになり始め、カフェではノンアルカクテルやコーヒーで過ごせるようになったり、テニス後のアフターで周囲がビールを飲んでいても気にならなくなる、という変化が出てきました。

6~7日目は、明らかに睡眠の質が改善し、友人家族との会食もノンアルカクテルで何不自由なく楽しく過ごすことができ、テニスの団体戦では、近年感じられなかった程度での集中力や、身体の軽さを感じました(運動中の結果にも現れる)。

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文=竹崎孝二 編集=石井節子

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