「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」のバーテンダー、髙橋裕也は世界的に権威あるカクテルコンペティション「#HennessyMyWay2024」で優勝するという快挙を成し遂げた。世界一となったバーテンダーが生まれた背景には、「リゾートトラスト」の人的資本経営に基づく温かなサポートがあった。髙橋と、彼の成長を支えた同社バー部門を統括する戸塚信弥に「リゾートトラスト」の人財育成について、またそこに秘められた想いについて聞く。
「リゾートトラスト」が豊かにする人生
「ベイコート倶楽部」や「エクシブ」など富裕層向けの会員制リゾートホテルを中核に、ゴルフ事業、メディカル事業、シニアライフ事業など幅広い分野でサービスを展開している企業「リゾートトラスト」。24年には新ホテルブランド「サンクチュアリコート」をローンチし、国内外で40以上のホテルやリゾート施設を運営してきた。
1973年の創業以来、リゾートからライフステージ後半の生活支援まで、一貫して豊かな価値を提供する点がユニークであり、人生を豊かにする総合サービス企業として成長を続けているが、そのサービスの恩恵を享受しているのはメンバーやゲストばかりではない。社内で働くスタッフの成長とキャリアパスの形成にも支援・投資を惜しまず、企業の中長期的な価値向上にもつながる人的資本経営にいち早く取り組んできた、先鋭的な企業でもあるのだ。
世界一のバーテンダーが在籍する「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」
「リゾートトラスト」が初めて一般向けに手掛けたラグジュアリーホテル「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」は、同じ建物のなかに「横浜ベイコート倶楽部」が併設され、「リゾートトラスト」のホスピタリティが余すところなく体現されている空間だ。そのアイコンともなっている最上階のラウンジ・バーには、世界的に権威のあるカクテルコンペティション「#HennessyMyWay2024」で優勝したチャンピオン・バーテンダー、髙橋裕也がいる。
世界各国から有名バーテンダーが集まるカクテルコンペで優勝した人という前触れに、会う前には、かしこまった雰囲気のベテランを思い描いていたが、実際の髙橋はそのやわらかな物腰と親しみやすい笑顔が誰しもを魅了するような好青年であった。
日本人としてグローバルコンペで優勝を遂げたという快挙は、もちろん彼自身の日頃の研鑽の賜物であろうが、髙橋は「私自身も大変な努力をしましたが、同時に個人の成長を支援する『リゾートトラスト』の企業としての“仕組み”にも助けられました」と謙虚に振り返る。「リゾートトラスト」がバーテンダーという職務を正確に評価し、育成してくれるから頑張れたのだ、と
「リゾートトラスト」のバーを“日本一のバーチーム”に
現在、「リゾートトラスト」の施設にはそれぞれヘッド・バーテンダーがアサインされ、バーチームが組織されているが、同社Executive Bar Directorとしてバー部門を統括している戸塚信弥は語る。
「2年ほど前より、『リゾートトラスト』のバーチームは日本一を目指し、意識改革を図っています。そのために、まず各施設でシグネチャーとなるカクテルをつくること。また、積極的にカクテルコンペに出場し、日本、そして世界のバーシーンを広く知ることを推進しています」
各施設にヘッド・バーテンダーとシグネチャーカクテルがあるということは、必然的にその施設の顔となる人が生まれ、そこにファンがつくことから「リゾートトラスト」へのエンゲージの向上が期待できる。また、それぞれの施設に唯一無二の魅力が生まれることから、施設間での相互トラフィックが生まれ、スタンプラリーのように各バーや施設を巡るゲストも増えてきたのだそうだ。
自身も「日本で行われているほぼすべてのカクテルコンペに参加してきた」という戸塚がコンぺ出場をサポートしてくれることも、各施設のバーテンダーにとっては心強いことだろう。
カクテルコンペに出場するためにはオリジナルで魅力のあるレシピ制作から、洗練されたバーテンディング、英語でのプレゼンテーションなど多くの課題があるが、そのすべてのステップにおいて戸塚が指導。ときには飲料メーカーやインポーターなどからプロフェッショナルを招聘してセミナーを開催し、施設外のバーでのゲストシフトなどイベントにも積極的な参加を促している。
これら一連の社外での活動が業務の一環として認められ、成果はきちんと評価される点も日本のホスピタリティ業界ではまだ珍しく、「リゾートトラスト」のバーチームの目覚ましい活躍の一因だと言えるだろう。
一流を知るゲストに磨かれたサービスこそが一流
また、会員制サービスが中核となっている「リゾートトラスト」においては、メンバーやゲストとの深いリレーションもバーテンダーを大きく成長させている。
髙橋も戸塚もともに「お客さまに育てられました」と語るが、とくに髙橋は「#HennessyMyWay2024」のカクテル考案にあたり、多くのカクテルを試作し、都度、お客さまの意見を聞きながらブラッシュアップしていったのだという。世界を旅し、一流を知り尽くした「リゾートトラスト」の顧客のアドバイスは的確で、ときに辛辣ですらあった。
「バーテンダーはお客さまに対峙するのではなく、ともに在ることが大切だと考えています。お客さまの経験してきた“一流”に寄り添い、そのニーズに応えよう、さらによいものを提供しようと努力することで、自然と世界に通用する力がついてきたのだと思います。私がチャンピオンになったことでお客さまは我がことのように喜んでくださいましたが、実際、私もお客さまと一緒に(優勝を)勝ち取ったように感じています」(髙橋)
バーが切り拓く「リゾートトラスト」の未来
こうして「リゾートトラスト」がバーチームの育成に力を入れるのは、現在の世界的なバーブームが背景にある。2025年10月8日に香港で発表された「世界のベストバー50」には東京から3軒のバーが選出されたほか、「アジアのベスト50バー」には熊本と奈良という地方を含む9軒のバーがランクイン。世界のバーシーンにおいて日本の存在感が強くなっている現在、バーホッピングを目当てに日本へやってくるインバウンドも多い。
「私がバーテンダーになった約20年前、ホテルにおけるバーは料飲の一部門に過ぎませんでした。ですが、いまやバーは集客やブランディングに大きく影響を与えることができる重要な鍵。バーテンダーはグローバルに活躍できる職種として大きな注目を浴びています」(戸塚)
「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」のバーカウンター8席には毎夜、限られた人数しか着席できないが、ここにチャンピオン・バーテンダーが在籍し、世界一になったカクテルが楽しめるという事実は広く世界に波及している。
髙橋のカクテル「Tinctura」は、「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」および「リゾートトラスト」の価値向上に大きく貢献し、またその後に続くバーテンダーを鼓舞し続けているのだ。バーを舞台に据えた「リゾートトラスト」の人的資本経営はこれからどんな大きな花を咲かせるだろうか。今後も注目したい。
「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」
https://thekahala.jp/yokohama/
リゾートトラスト
https://www.resorttrust.co.jp/



