食&酒

2025.11.11 14:15

日本と中国では食べ方も異なる、東京で本場の「ガチ餃子」を体験できる店

中国には日本では信じられない餃子がたくさんある。遼寧省の港町である大連ではイカ墨入り水餃子が食べられる。これは東京ではまだお目にかかったことのないご当地のガチ餃子である

一方、店としては多様な中国人客のニーズにも応えるとともに、他店との差別化を打ち出しているのだろう。まったく、中国の人たちの飽くことのない、食の選択肢を際限なく追求する姿には驚きを禁じ得ないものがある。

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試しに同店のスタッフに人気の餡はどれかと訊ねると「猪肉茴香(豚肉、フェンネル入り)」だと答えた。筆者はフェンネルの和名である「ウイキョウ(茴香)」と呼ばれるハーブ入りの水餃子を、味坊集団の梁宝璋さんの店「香福味坊」で一度食べたことがあるが、口に含むと鼻からほのかな香りが抜けるような、これまで味わったことのない上品さが記憶に残っている。

TDCのメンバーで中国食材商社の三明物産の大友兼一さんはYouTube動画「大友大飯店」でフェンネル(茴香)水餃子のレシピを公開している。豚肉に大量の刻んだフェンネルを入れて餡をつくる
TDCのメンバーで中国食材商社の三明物産の大友兼一さんはYouTube動画「大友大飯店」でフェンネル(茴香)水餃子のレシピを公開している。豚肉に大量の刻んだフェンネルを入れて餡をつくる

実は、中国黒龍江省出身の梁さんは日頃から「中国の餃子は日本の寿司によく似ている。さまざまな種類の餡があり、ネタを選べるところがそうだ」と話している。彼は、日本各地を訪ね、ご当地食材を使った餃子の新しい餡づくりを始めていて、それを「シン餃子」と呼び、多くの日本の人たちに味わってほしいとも話している。

もう1つこの店で面白かったのは、新大久保の店とは違い、日本人客はほぼいないのだが、日本語でランチメニューが書かれていて、各種水餃子とサラダ、スープ、漬物、デザートという内容だったことだ。つまり、定食でありながら、そこにはライスはないのだ。水餃子が彼らには日本人にとっての丼物のご飯にあたるもので、主食の位置付けなのである。

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「餃子封神榜」のランチメニューは、水餃子がメインで、ライスなし。中国の人たちにはこれが一般的らしい
「餃子封神榜」のランチメニューは、水餃子がメインで、ライスなし。中国の人たちにはこれが一般的らしい

「これでは日本人客は来ないかもしれないなあ」と思いつつ、あくまでライスなしで水餃子のみのランチメニューを提供しているのは、一部の店を除き、圧倒的に中国人客が多くを占める池袋のガチ中華らしいと思ったのだった。

文=中村正人 写真=東京ディープチャイナ研究会

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