今年、中国で資産を大きく増やした人物の1人が、元コンピューターサイエンス研究者の陳天石(Chen Tianshi)だ。
上海に上場するAIチップメーカー、カンブリコン・テクノロジー(Cambricon Technologies、中科寒武紀科技)の株価が急騰し、彼の資産はほぼ3倍の210億ドル(約3.2兆円。1ドル=153円換算)に達した。フォーブスの「中国の富豪100人」2025年版では、15位に位置している。
「中国のエヌビディア」と呼ばれる同社の顧客には、銀行や通信などの分野の企業が含まれる。カンブリコンのチップは、アリババ、DeepSeek、テンセントが開発するものを含むAIモデルの学習や運用(推論)を支えるのに十分な性能を備えており、米国の対中先端半導体輸出規制のなかで、各社は国産代替品へのシフトを進めている。
2025年上半期、同社は2020年の新規株式公開(IPO)以来初となる半期ベースの黒字──10億元(約210億円。1元=21円換算)──を計上し、売上高は前年同期比4300%超の29億元(約609億円)に急増した。
会長兼CEOの陳(40)は、中国科学技術大学でコンピュータサイエンスの博士号を取得。2016年に同社を創業する前は、中国科学院計算技術研究所の研究者として勤務していた。



