欧州

2025.11.07 09:30

ロシアが同盟国ベラルーシへ新型弾道ミサイル「オレシニク」供与 年内に配備

ロシアの首都モスクワで二国間会談を行う同国のウラジーミル・プーチン大統領(左)とベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領。2025年3月13日撮影(Contributor/Getty Images)

ベラルーシの展開を受け、ウクライナ軍は厳戒態勢に入った。2022年2月にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以来、ルカシェンコ大統領は隣国ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を支援してきた。ベラルーシ政府はロシア軍がベラルーシへ兵器や軍事装備を輸送することを許可しており、それらはウクライナ侵攻に使用されている。ロシア軍兵士はウクライナでの戦闘に派遣される前にベラルーシ国内を移動する際、同国内の兵舎に滞在していたこともある。ウクライナ侵攻の初期段階で、ベラルーシ政府はロシア軍がベラルーシ領土からウクライナへのミサイル攻撃を行うことを許可した。

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他方で、ルカシェンコ大統領は自国軍を戦争に投入するには至っていない。英王立国際問題研究所(チャタムハウス)が実施した調査によると、ベラルーシ国民の大半はロシアによるウクライナ侵攻を支持していない。さらに同国民の大多数は、ウクライナへの自国軍の派遣の可能性に反対している。ベラルーシ軍では数十人の上級将校と兵士がウクライナに侵攻中のロシア軍の支援に反対し、ルカシェンコ政権への抗議として辞任した。これを受け、ルカシェンコ大統領はウクライナに自国軍を派遣しないことを決定した。

とはいえ、オレシニクはウクライナに新たな脅威をもたらしている。同弾道ミサイルはこれまでもウクライナの防衛能力を脅かしてきた。オレシニクが2024年11月に初めて発射された際、上層大気圏を移動したため、ウクライナの防空システムによる探知が困難だった。同弾道ミサイルは時速数千キロで進むため、撃墜も困難だ。

同弾道ミサイルがベラルーシに供与されたことで、ロシアのウクライナに対する攻撃能力が強化されることになる。ロシアの首都モスクワがウクライナの首都キーウから1500キロ離れている一方、ミンスクはキーウまでわずか440キロの距離にある。この地理的条件を踏まえると、ロシア軍がベラルーシ領土からウクライナに向けてオレシニクを撃ち込むことを選択した場合、ウクライナの重要な社会基盤を迅速に攻撃できるようになる。また、ウクライナ軍がこれらの弾道ミサイルに対応する時間も短くなるだろう。

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現在、ベラルーシがオレシニクで防衛システムを整備する中、ウクライナ当局は同国の動向を注視している。同弾道ミサイルが12月に配備される見通しであることから、ウクライナは不確実性が依然として漂う中、将来の攻撃に備えて必要な予防措置の準備を進めている可能性が高い。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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