ベラルーシの首都ミンスクで先週開催された第3回国際ユーラシア安全保障会議には、40カ国以上の政府高官が出席した。10月28~29日にかけて開催された同会議では、ベラルーシとセルビアの大統領による演説に加え、ハンガリー、ロシア、ミャンマー、韓国の各外相が登壇した。登壇者はユーラシア全域における国家安全保障と防衛問題での協力の重要性を強調した。会議では、軍備管理と経済安全保障に特化したパネルディスカッションも開かれた。
参加者がユーラシア全域における国家間の緊張と対立を緩和する方法を強調する中、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の演説は特に注目された。同大統領は、ロシアが核兵器の一部をベラルーシに保管しており、同国の新型中距離弾道ミサイル「オレシニク」をベラルーシに供与したと演説した。「これらの兵器のベラルーシへの配備は、(ロシアとウクライナ間の)状況の激化に対する単なる反応に過ぎない。われわれは誰かを脅かしているわけではない。単に自国の安全を確保しているだけだ」
ルカシェンコ大統領の演説後、ベラルーシ政府はロシアからオレシニクが供与されたことを認めた。政府は同弾道ミサイルが12月末までに完全に運用可能となる予定だと説明した。
オレシニクの供与に先立ち、ロシアとベラルーシは9月に4日間の合同軍事演習「ザパト2025」を実施していた。演習では、ロシアとベラルーシの兵士による防空能力と戦闘準備態勢に焦点が当てられたほか、核兵器の訓練も行われた。ザパト2025で試験された兵器の1つがオレシニクだった。
ロシアの新型弾道ミサイルがベラルーシに到着したとの報告を受け、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、これが欧州に新たな安全保障上のリスクをもたらすと述べた。同大統領は、特にベラルーシと国境を接する国々が脅威にさらされると警告した。ゼレンスキー大統領は、オレシニクの射程は「5000キロで、約700キロの死角がある」と説明。「したがって、欧州、特に東欧、バルト諸国の人々は注意を払う必要がある」と強調した。



