世界的なAIブームの中、データセンターを運営するレンジ・インテリジェント・コンピューティング・テクノロジー・グループ(潤沢智算科技集団)の創業者、周超男(ジョウ・チャオナン)会長も初の番付入りを果たし、資産額53億ドル(約8000億円)で85位に付けた。
番付に返り咲いたのは6人で、ロボット掃除機メーカーのエコバックスロボティクス(科沃斯机器人)創業者の銭東奇(チエン・ドンチー)も含まれる。同社は家電製品の売上増により、2025年上半期の純利益が1億3800万ドル(約208億円)と60%以上の伸びを見せた。
一方、最も大きく資産額を減らしたのは、金額・割合ともにフードデリバリー大手・美団の王興(ワン・シン)会長兼CEOである。デリバリー事業を拡大するEC(電子商取引)大手のアリババや京東集団(JD.com)との価格競争で収益が圧迫されたためで、王の資産は62億ドル(42%超)減少して84億ドル(約1兆2700億円)となった。
番付から陥落した14人の中には、かつて中国一の富豪だった不動産大手・万達集団(ワンダ・グループ)の王健林(ワン・ジエンリン)会長がいる。王の不動産コングロマリットは、流動性危機の中で資産売却を進めている。
なお、番付100位の純資産額は、前年の39億ドル(約5900億円)から46億ドル(約6900億円)に増加した。
フォーブス「中国長者番付」2025年版の全リスト(英語版)はこちら。
本記事は、Enyi Hu、Shanshan Kao、Zinnia Lee、Chengbo Liu、Catherine Wangらの取材とPhisanu Phromchanyaの編集協力の下で作成された。
調査方法
この番付は、家族その他の個人、証券取引所、アナリスト、民間データベースなどから入手した株式・財務情報を基に作成した。資産額は2025年10月17日時点の為替レート(1ドル=150.62円)と株価に基づいている。
非公開会社の価値は、財務比率や類似する公開会社との比較により評価した。各氏の保有資産は家族・親族の資産を含む場合もある。類似した経歴を持つ個人間の比較を容易にするため、現在は中国籍ではないものの主な資産源が中国本土にある中国本土出身の起業家も番付には含まれている。
フォーブス編集部は、新たに入手した情報に基づき、番付の修正を行う権利を留保する。


