ではなぜ、ワイヤレスヘッドホンタイプのAirPods Maxは対応モデルに含まれないのだろうか。カマル氏は「私たちは、さまざまな場所でiPhoneと組み合わせて自然に使える、ワイヤレスイヤホンタイプのAirPodsから導入するべきと考えたから」だとその理由を述べる。AirPodsのライブ翻訳機能が、現在のところiPadやMacとの組み合わせで使えない理由についても、可搬性能の高いアップルのデバイス同士で、さまざまな場面で起こる言語の壁を越えたコミュニケーションを支援することを目的としているからだ。
アップルによるライブ翻訳機能の日本語対応は、筆者が期待していたよりも高いレベルに到達していた。外国語による対面のコミュニケーションにも役立つとは思うが、まずは記者会見や講演会など、外国語によるスピーチを日本語で聞く場面で活用してみると、価値を判断しやすいと思う。

Googleのスマートフォン、Pixelシリーズにプリインストールされている「翻訳」アプリにも、対面形式の会話を日本語を含む多言語に翻訳する機能が備わっている。ただし現状では、短い文のやり取りを想定した設計となっており、連続した会話の逐次翻訳にはあまり向いていない。
一方、日本で普及率の高いiPhoneが「外国語の翻訳にも強いスマートフォン」として高い評価を得られれば、ユーザーから「ほしいAIスマホ」として注目され、競合との差別化にもつながるだろう。
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