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2025.11.12 09:15

若者は「電話嫌い」ではない? Z世代が「声なき電話」にハマる理由

Getty Images

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若者は電話が嫌いというイメージは、電話世代の年配者が抱く偏見に過ぎないことがわかった。クールに見えるZ世代も相手と親密な会話を大切にする。しかし現代社会では音声通話が制限される場所が多く、直接話したくても電話が使えないことがある。そこで人気を集めているのが「Jiffcy」(ジフシー)だ。

インターネットサービスを提供する穴熊が開発提供を行うコミュニケーションサービス「Jiffcy」は、電話とチャットの中間のようなテキスト通信アプリ。2023年4月にサービスを開始し、直後にApp Storeのランキング1位となり、2024年5月にはトーク回数(メッセージがやりとりされた回数)が400万回を突破した。今年5月にはForbesの「すごいプロダクト50」に選出され、先日、『日経トレンディ』の2025年ヒット商品ベスト30にも選ばれたばかりだ。

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「Jiffcy」の特徴は、なんといってもリアルタイムトーク機能にある。電話と同じリアルタイム通信で、入力中のテキストがそのまま相手の画面に表示されるため、文章を打ち込む間の心の動きも伝わってくる。まさに、声を使わない電話だ。

Fiomが運営するZ世代に特化した次世代型シンクタンク、Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)が、18〜24歳の男女300人を対象にJiffcyに関するアンケート調査を実施したところ、8割を超える人が、Jiffcyのリアルタイムトーク機能は、焦り、喜び、迷い、冗談などの感情を伝えやすいと感じていることがわかった。

また約8割の人が、それによって相手と心理的な距離を縮めるのに役立つと答えている。

この調査では、55パーセントを超える人が音声通話に苦手意識はないと答えている。電話が嫌いなのではなく、今の環境と若い人たちのコミュニケーションに電話という通信手段が合っていないため、使い辛いのだろうと推測される。声を出さずにリアルタイムで会話ができるこのアプリが人気なのは、それを物語っている。

1回の利用時間は、3割近い人たちが30分から1時間と長い。1時間以上という人も2割近くあり、長電話ならぬ「長Jiffcy」が定着している感じだ。「Jiffcy」は完全招待制で、実名での利用がルールなので、安全性が高いとされている。親密な相手との通信手段として、Z世代にはちょうどいいツールのようだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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