アート

2025.11.15 13:00

印象派の作品から考える19世紀以降の「食」、米4都市で巡回展

「落ち穂拾い(The Gleaners)」レオン・オーギュスタン・レルミット作(Photo by Zhe Ji/Getty Images)

食について、ともに考える

SAMでの展覧会では、館内の1室にダイニングテーブルが置かれている。来場者たちはセッティングが素敵なそのテーブルにつき、「話し合う」ことを促される。テーブルの上に置かれたプレートには、「一緒に食事をするなら、誰がいい?」といった気軽な感じの問いかけから、問題の核心に触れるような質問が書かれている。

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「シアトルには、健康的な食品を購入することが困難、あるいは不可能な『フード・デザート(食の砂漠)』と呼ばれる地区があることを知っていますか?」

「あなたが暮らすコミュニティの食品へのアクセスを向上させるために、あなたには何ができますか? または、そのために何を変えるべきだと思いますか?」

──これらは、来場者たちに行動を促す真剣な呼びかけだ。

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そのほか、SAMでは会期中をとおして、食に関連したさまざまなトピックをテーマにしたパネルディスカッションが行われている。なかでも高い関心を集めているのは、12月11日に予定されている「私たちは食べる場所でできている:シアトルのフードカルチャー」がテーマの討論会だという。

シアトル美術館(Adele Heidenreich / Shutterstock.com)
シアトル美術館(Adele Heidenreich / Shutterstock.com)

美術館のギフトショップで

この展覧会は、食について考え、話し合うことを促すだけのものではない。館内のギフトショップでは、素敵なカードやカレンダー、小物といったよくある商品が販売されているだけではない。来場者たちは、シアトル周辺地域(太平洋岸北西部)で生産された品々の中から、SAMが厳選したものを購入することができる。

商品を提供している小規模生産者、例えば、高品質の素材を使用したスープミックスを製造・販売する家族経営のRill’s Specialty Foodsなどを紹介するそれぞれのバックグラウンド・ストーリーも、興味深い。また、「Growing a Feast」や「Chefs on the Farm」など、地元を拠点に活動するシェフや農場経営者たちの著書も、ぜひ手に取ってみて欲しいものだ。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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