米国最高裁判所は現地時間11月5日、トランプ政権による「リベレーション・デー関税」の合法性をめぐる口頭弁論を行う。この訴訟は、トランプ政権の象徴的な経済政策を覆す可能性がある重要な裁判であり、企業や貿易相手国に数百万ドル規模の影響を及ぼすとともに、トランプの大統領権限をさらに拡大する可能性もある。
判事たちは5日、トランプ関税に関する2件の訴訟について弁論を聞く予定だ。その中には、トランプ大統領がほぼすべての貿易相手国に課したリベレーション・デー関税と、フェンタニルの密輸を理由にカナダ、メキシコ、中国からの輸入に対して課した別の関税の双方が含まれている。
トランプは、国家非常事態時に経済制裁を発動する権限を大統領に与える国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき、これらの包括的な関税を課してきた。
一方で、訴訟を起こした中小企業や民主党主導の州政府は、トランプがIEEPAに基づいて関税を課すことはできないと主張している。その理由として、同法は関税の賦課を認めておらず、仮にそうであっても、関税を正当化するような国家非常事態は存在しないと論じている。
最高裁は今回、IEEPAに基づく関税が有効かどうかを最終的に判断する。2つの下級審はいずれもトランプ側に不利な判断を下しており、大統領にはIEEPAを根拠として関税を課す権限がないと結論づけている。
この裁判は企業にとっても大きな意味を持つ。もしIEEPAを根拠とする関税が無効と判断されれば、企業はすでに支払った関税の返還を受けられる可能性があるほか、短期的には輸入関税の支払い義務から解放される見込みだ。トランプ政権はこの訴訟を「米国経済の存亡を脅かすもの」と位置づけている。
最高裁は5日に口頭弁論を行うが、関税の合法性に関する最終判断がいつ出るかは分からない。最高裁では通常、審理後に最終判決を下すまで少なくとも数カ月を要するが、今回は迅速に関税訴訟を取り上げたことから、判事たちが早期の決定を目指しているのではないかとの見方も出ている。最終的な判決は、遅くとも最高裁の会期が終了する2026年6月までに下される見通しだ。
トランプ政権の反応は?
トランプと政権幹部は、IEEPAを根拠とする関税が最高裁で覆される可能性について、深刻な警告を発している。トランプはテレビ番組『60ミニッツ』のインタビューで、最高裁が関税を無効にする可能性について問われ、「そうなれば我が国は計り知れないほどの損害を受けるだろう」「経済は地獄に落ちると思う」と述べた。
最終的には撤回したものの、トランプは以前、口頭弁論に自ら出席する意向を示していた。これは彼がこの裁判を自身の経済政策の中核とみなしていることを示す動きである。なお、スコット・ベッセント財務長官は出席する見込みだ。ベッセントは4日、FOXニュースのインタビューで、「これは経済的な非常事態だということを強調するためだ」と出席理由について語り、「国家安全保障とは経済安全保障のことだ。経済安全保障は国家安全保障でもある。米国の財務長官として、私はその両方を守る責任がある」と述べた。



