北米

2025.11.07 13:00

米名門VCセコイアのトップが交代、後任に「AI投資」で成功の2名

ロエロフ・ボサ(Photo by Kimberly White/Getty Images for TechCrunch)

退任するボサ、ミダスリスト常連としての功績

ボサは2021年、ダグ・レオーネの後任としてセコイアの最上級パートナーである「シニア・スチュワード」の役職を引き継いだ。ファンドに近い情報筋によると、それ以来セコイアは投資家に500億ドル(約7.7兆円)超を還元した。セコイアは現在、ミダスリストのランキングに、どのベンチャーファンドよりも多い6人の投資家を擁している。

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南アフリカ出身のボサは、PayPal(ペイパル)の最高財務責任者(CFO)を務めた後の2003年に、セコイアに招聘されていた。彼は、セコイアに在籍中にYouTube、インスタグラム、スクエアなどの企業への投資を手がけ、2017年には米国および欧州部門の単独トップとなった。また2007年以降に、ほぼ途切れることなくフォーブスのミダスリストに名を連ね続けている。

ミダスリスト1位のリン、AI投資で注目のグレイディが後任に

後任となるリンとグレイディも、いずれも投資家として卓越した実績を持つ。現在ミダスリストで1位につけているリンは、2010年にセコイアに参加し、エアビーアンドビーやDoorDash(ドアダッシュ)、OpenAIなどへの投資で知られている。一方のグレイディも2007年にセコイアに加わったベテランで、ServiceNow(サービスナウ)やOkta(オクタ)、Zoom(ズーム)などを支援してきた。彼は近年は、Harvey(ハーヴィー)やHugging Face(ハギングフェイス)、OpenEvidence(オープンエビデンス)といった急成長中の人工知能(AI)スタートアップへの投資でも注目されている。

52歳のボサ、前任者より異例の早さでの退任か

セコイアは、パートナーの独立による分裂を招かずに経営トップの交代を進めてきた、数少ないVCの1つだ。ボサは同社の第3世代のリーダーにあたる。創業者はアップルへの初期投資でも知られるドン・バレンタイン、第2世代が1997年に経営を引き継いだダグ・レオーネとマイケル・モリッツだ。ボサは声明で、「セコイアは世代を超えた結束を保ち、歴代のトップが引き続きパートナーシップに助言し、取締役会でセコイアを代表するという伝統を受け継いでいる」と述べた。

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レオーネが引退した2022年の体制移行は、彼の65歳の誕生日に合わせて2年がかりで慎重に進められたものだった。ボサは当時、フォーブスの取材に対し、自身の在任期間に明確な期限は設けていないと語っていたが、現在52歳の彼は、前任者たちと比べて異例の若さで退いたといえる。

ボサは後任の2人について「彼らは困難な対話から逃げず、創業者とともに、そしてセコイア内部でも仕事に腕をまくって取り組む」と評している。ボサ自身もまた、厳しい質問を避けない人物として知られている。

10月28日に開催されたカンファレンス「TechCrunch Disrupt」においてボサは、前COOスマイヤ・バルバレの功績を称えるとともに、ショーン・マグワイアのSNS投稿をめぐる質問にも答えた。「セコイア内部では、多様な意見を歓迎しており、尖った人材を必要としている」と彼は語った。「そうした個性は特定タイプの創業者にとって非常に魅力的だが、当然ながら相応の代償を伴う」とボサは指摘した。

forbes.com 原文

翻訳=上田裕資

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