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2025.11.09 15:00

ビルボード入りした「AI生成」歌手ザニア・モネの制作者、AI音楽への反発に反論

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ソングライターのテリシャ・”ニッキー”・ジョーンズは、水曜のCBS『モーニングス』のインタビューで、自身が生み出したAI生成の「歌手」Xania Monet(ザニア・モネ)を擁護し、AIボーカル生成ツールを「楽器」とみなしていると語った上で、歌手のケラーニらがAIの使用を非難していることに反論した。

ジョーンズが作詞作曲した楽曲を歌うAI生成のR&Bアーティストザニア・モネは、ここ数週間で複数のBillboardチャートに登場するAI生成ミュージシャンの波を牽引しており、米国内での累計ストリーミングは4400万回超と報じられている。

ザニア・モネの歌声はSunoというAIプラットフォームで生成されており、同社は昨年、主要レコード会社とアメリカレコード協会(RIAA)から、著作権で保護された素材をAIツールの学習に使用したとして提訴されている。

ザニア・モネは今夏のデビュー以来、R&B楽曲販売チャートでの1位を含む多数のBillboardチャートにすでにランクインしており、今週はAI生成のアクトとして初めてBillboardのラジオ・エアプレイ・チャートにも曲を送り込んだ。

ザニア・モネと並び、AIカントリー音楽プロジェクトのBreaking Rustは『Livin’ On Borrowed Time』と『Walk My Walk』をカントリー楽曲販売チャートに最近デビューさせ、キリスト教系のAI生成アーティストJuno Skyeは先週Billboardの新進気鋭アーティスト・チャートに初登場し、AIアクトEnlly Blueの『Through My Soul』は10月にロック販売楽曲チャートに入った。

同媒体は、これらの楽曲が人工的に生成されたものかどうかを検証するため、AI検出ツールを提供するプラットフォームのDeezerでクロスチェックしたと述べている。

Billboardによれば、ザニア・モネの制作者であるジョーンズは9月にレコード会社のHallwood Mediaと数百万ドル規模のレコード契約を締結しており、入札合戦は最大で300万ドル(約4億6200万円)に達したと報じられている。

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ジョーンズはCBS『モーニングス』でゲイル・キングに対し、ザニア・モネ名義でリリースされた楽曲はすべて自身が制作しており、AIはボーカルの生成にのみ用いていると語った。ジョーンズは「AIは私たちがいる新しい時代であり、私はそれをツール、楽器として捉えている」と述べ、ザニア・モネを自分自身の「延長」であり「実在の人物」と見なしていると付け加えた。

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翻訳=酒匂寛

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