家族や親しい人の言葉に傷つき、感情的になってしまう。どうして身近な人ほど、心を乱されてしまうのでしょうか。
スポーツドクターとして、オリンピック選手から経営者、主婦まで幅広くメンタル・トレーニングを提供してきた辻秀一さんの著書『いつもごきげんでいられる人、いつも不機嫌なままの人』(サンマーク出版)から、感情に振りまわされずに生きるための「ごきげん道」の実践例を抜粋してご紹介します。
お姑さんとうまく付き合う方法
いやみばかり言ってくるお姑さんに悩んでいるという女性から相談を受けたことがあります。彼女はどうしてもお姑さんのことが好きになれず「お姑さんがいやみを言わなくなる方法はありませんか?」と言っていました。
この女性と同じように、いやなことを言う人に悩まされている人も多いでしょう。しかし、残念ながら他人を変えることは難しいと言わざるをえません。
たとえば、極端な話ですが、彼女がほんとうにこのお姑さんから離れたいと思うなら、別居するという方法もあります。そうやって環境を変えるというのも選択肢のひとつです。しかし、お金もかかるし、エネルギーもいるし、すぐにはできないでしょう。
でも「ごきげん道」なら経費もエネルギーも節約できるのです。新しい考え方を自分に身につけるだけですから。0円で幸せになれる。これもライフスキルの価値のひとつです。
そのことを彼女に伝えたら、彼女もお姑さんを変えるのではなく、お姑さんに何を言われてもごきげんでいられるように、自分の心を自分でつくれるようになりたいと言いました。
「ごきげん道」を歩いていくことによって、彼女がどうやってごきげんになっていったかを見てみましょう。


