私たちは、いろいろなことで不機嫌になりますが、じつはこの女性と同じように、身近な家族から不機嫌にさせられることがとても多かったりします。
相手と親密な関係であればあるほど、認知の脳が働いて意味づけが起こり、心が持っていかれやすいからです。
ですから、ひとつ屋根の下で暮らして、四六時中顔を合わせるお姑さんとの関係にこの女性が悩むのは、ある意味当たり前です。
私も、娘のことになるとどんなに気をつけていても、心配したり、期待したりしてしまい、そのあげくに不機嫌になってしまうことがあります。
意味をつけているのは自分
まずは、ごきげん道の基本、「意味づけに気づく」です。この女性はお姑さんの言葉に「いやみ」という意味はついていないということに気づきました。お姑さんはただしゃべっているということに私が「いやみ」と意味づけしている、ただそれだけのこと。お姑さんの言うことをほかの人が聞いたら、いやみとは思わないかもしれない……。
意味をつけているのは自分だと気づいたのです。
「先日、お姑さんに、『電球を買ってきて』と言われたとき、いつものようにイライラしてしまったんです。私を忙しくさせようとして、お姑さんが意地悪を言っているんだと思ってしまいました。それでつい、『今忙しいんです!』と言い返してしまいました。でも、お姑さんが意地悪を言っているというのは自分の意味づけだと気づきました。ほんとうはただ電球が必要なだけだったんです。
それから、先生に教えてもらった、自分のために『謝り、許すと考える』というライフスキルを思い出したので、ただただ『謝り、許す』と考えてみました。すると、不思議と感情的になるのを抑えることができました」

