恐ろしいメールが突然届く。あるいは、何週間も前からそうなることが分かっていたかもしれない。アマゾンが従業員1万4000人を解雇することを明らかにし、小売大手ターゲットがレイオフを発表するなど、さまざまな業界で似たようなニュースがあり、こうした現実はあちこちでプロフェッショナルを直撃している。解雇されることは極めて不安だ。しかし、多くの成功したプロフェッショナルが発見したことがある。レイオフは単に仕事に我慢するのではなく、本当に好きな仕事へのキャリア転換のきっかけになり得るということだ。
重要なのは立ち直る力、つまり逆境をチャンスに変える能力だ。この記事では、レイオフを人生の新たな章への出発点に変える5つの戦略的な方法を紹介しよう。
1.率直にキャリアを振り返る
必死になって履歴書を更新してこれまでと同じような職に応募し始める前に、一呼吸置こう。この中断の時間こそ、自分の歩んできた道が正しかったかどうかを検証するチャンスだ。多くのプロフェッショナルは何年もかけて出世の階段を上ってから、最も重要なことから遠ざかっていることに気づく。
自分に以下のような難しい質問をすることから始めよう。
・以前の職務のどの部分に活力を感じたか
・時間があっという間に過ぎていくタスクと、終業時刻が気になるタスクは何か
・どんなことで消耗したか
・どんな会議を怖れていたか
・身を置いていた業界は自分にあっていたか
・会社の価値観は自分のものと合っていたか
・自主性を重んじるか、それとも組織的な指導を好むか
・他の人と一緒に仕事をするのが好きか、それとも独立したプロジェクトに集中するのが好きか
給料が業界水準を上回るために、あるいは肩書きがかっこいいために自分は満足していると思い込んでいることがあるが、レイオフはそうした正当化を取り払う。自分の本当の好みを理解することは、本当に自分に合うキャリアパスを見極めるために極めて重要だ。
取るべき行動:重要な職務を「活力が得られる」「中立」「消耗する」のどれかに分類したスプレッドシートを作成し、活力の要素が最も大きいキャリアを研究する。
2. 退職金の一部を、生活費でなくスキル磨きにあてる
目標とする方向性が決まったら、現在の自分の能力と希望する職務の要件との間にギャップがあることに気づくだろう。そのギャップを埋めるには、戦略的な投資が必要だ。退職金を受け取ったなら、またとないチャンスだ。
保守的なアプローチは、同じような仕事を探しながら出費を基本的なものだけに抑えてなるべく節約することだ。そうではなく、転職に必要なスキルや資格、知識を身につけることに退職金の一部を戦略的に投資しよう。無茶をする必要はない。退職金がささやかな額でも、10〜20%を新たなキャリアの目標に沿った能力開発に充てることを検討しよう。
戦略的に投資するものとしては、以下のようなものが考えられる。
・現在の自分の能力と目標とする職務との間のスキルギャップに直接対処するコース、資格、プログラム
・入りたいと思っている業界の団体
・業界カンファレンス(多くがバーチャル参加のオプションを、割引料金で提供している)
・業界出版物やソートリーダーのサブスク
取るべき行動:6~12カ月分の費用を計算し、1000~5000ドル(約15万〜77万円)をキャリア転換のためのリソースに割り当てる。2週間以内に少なくとも1つの充実しているコースに登録する。



