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2025.11.27 16:00

博報堂DYグループの実行力を武器に、ENND Partnersが目指す「分断を超え、つなぐ」企業変革(後編)

日本企業が抱える「戦略と実行の溝」をいかに埋めるのか(前編より)。後編では、ENND Partners共同創業者兼CEOの岩渕匡敦と共同創業者兼プリンシパルアドバイザーのティム・ブラウンが他のコンサルティングファームと一線を画す「つなぐ」力と真の変革について語り合う。


博報堂DYグループの強みはどこにあるのか

ーENNDとほかのコンサルとの違いは何ですか。

岩渕:「つなぐ」に重点を置いているところです。既存のコンサルは多くの場合、戦略、IT、オペレーションなど機能ごとに会社が分かれています。それぞれの機能に高度な専門性を求められ、簡単に真似できることではないので、私もリスペクトしていますが、支援先の企業にとって頼る相手が複数いると「分断」が起きて戦略実現が難しくなり、その結果として事業価値につながりにくくなりがちです。

なぜなら経営の課題は往々にして領域をまたいで存在しているからです。ENNDはその分断を超え、「戦略と実行」「論理と感情」「人とテクノロジー」をシームレスにつなぐことを目的としています。

私たちは、経営層が描くビジョンを現場の行動にまで落とし込み、社員が実際に動くところまで伴走します。

京都大学の山内裕教授が主宰しクリエイティブディレクターの佐藤可士和さんが特命教授を務められる「京都クリエイティブ・アッサンブラージュ」との連携もそのひとつ。人文学的発想は経営課題とその解決を「つなぐ」ものですから、とても重要と考えています。

ENND Partnersが主催したイベント「Code of Creativity 新たな価値を生み出す力」。ENNDは人文・デザイン・アート分野から創造的実践を探る「京都クリエイティブ・アッサンブラージュ」との連携をしており、このイベントでも多くの聴衆と企業課題の現在や、その解決創造について議論を深めた。
ENND Partnersが主催したイベント「Code of Creativity 新たな価値を生み出す力」。ENNDは人文・デザイン・アート分野から創造的実践を探る「京都クリエイティブ・アッサンブラージュ」との連携をしており、このイベントでも多くの聴衆と企業課題の現在や、その解決創造について議論を深めた。

ー幅広い領域をカバーするには相当なリソースが必要だと思いますが、どう実現するのでしょうか。

岩渕:博報堂DYグループには、クリエイティブ、テクノロジー、オペレーション、デザインなどのグループ会社が約450社あり、約2万9,000人の専門人材がいます。私たちは彼らを実行部隊として編成できます。

そして世界中にネットワークをもつIDEOやSYPartnersといった人間中心に根ざした企業群とも協働しています。だからこそ戦略立案から実行、AIやテクノロジーの実装までを一気通貫で支援できるのです。

ティム:AIで人間を置きかえたり、搾取したりするのか、それともAIを用いて人間の能力を高め、新たなことを成し遂げる方法を模索するのか。

今、我々は明確な選択を迫られています。世界中の企業が同じ問いを突きつけられていますが、日本は他国よりも、利益だけでなく人間の可能性を引き出すことにAIをどう活用すべきか考える企業が多いと考えています。私たちはそうした企業を支援したい。

岩渕:技術の進化は環境の変化として受け止めざるをえません。その前提で、いかに人間の価値を上げていくのか。AIベースのプロダクトをつくっても、人間が使いこなせなければ意味がありません。体験設計や組織変革とセットで、AIを導入する必要があります。

ティム:新技術を効果的に利用している企業の特徴のひとつは、目的意識(パーパス)をもっていることです。誰かにそうすべきだと言われたから新技術を導入するわけではなく、何を達成すべきかを理解しています。

ふたつめの特徴は彼らは実験的な文化をもっています。自社ビジネスに適合する場所、あるいはビジネスの進化を可能にする場所を見つけるまで、試行錯誤を続けます。生成AIのおかげで、より多くの実験が可能になっています。アイデアを思いついたら迅速にコード化し、何らかの体験へとかたちを変え、人々に試してフィードバックをもらえるようになったのです。

3つめの特徴は絶え間なく学習する意欲です。将来どのようなスキルが必要となるのか、私たちにはわかりません。しかし新しいことを学びたいという意欲があれば、外部世界から訪れるあらゆる変化を予測し、適応する機会を自らに与えることができます。

目的意識、実験精神、学習意欲こそ現代の企業が備えるべき特性です。

ー岩渕さんは、これまでボストンコンサルティンググループやマッキンゼーなど、どちらかといえば、戦略や計画をロジカルに組み立てることに重きを置く企業で、キャリアを積んでこられました。人間中心的な経営を推進する側に足を踏み入れるのは大きな決断だったのではありませんか。

岩渕:5年ほど前、当時高校生だった娘から「パパはいつも数字の話ばかりしている」「私たちの将来はもっと人とのコミュニケーションを豊かにしたり、自然と触れ合ったり、クリエイティブなことをして生きていきたい」と言われたんです。ハッとさせられましたね。クライアントのために必死に数字を駆使して効率性を追い求めていましたが、自分が信じてきた「正しさ」の軸が揺らいだ気がしました。

それ以来、若い世代が活躍できるプラットフォームをつくるにはどうすればよいかを考え続け、ENNDの創業コンセプトにたどり着いたのです。数字やロジックは経営にとって欠かせない要素ですが、数字の背後には必ず人がいる。人の感情や関係性、文化、価値観を理解しなければ、本当の意味での変革は起きません。

▶︎前編の記事はこちらから

ENND Partners
https://enndpartners.com/


 いわぶち・まさのぶ◎ENND Partners共同創業者兼CEO。ボストンコンサルティンググループ東京オフィスにてMarketing,Sales and Pricingプラクティスの日本リーダーなどを歴任し、2024年より博報堂DYホールディングスの執行役員に就任。同年3月にENND Partners設立。 「Harvard Business Review」などへの寄稿や執筆多数。

ティム・ブラウン◎ENND Partners共同創業者兼プリンシパルアドバイザー。博報堂DYホールディングスの戦略事業組織であるkyuのVice Chairであり、世界的なデザイン・イノベーション企業であるIDEOのChair Emeritus(名誉会長)。「デザイン思考」を紹介した著書『Change By Design』はベストセラーになった。


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