3. 面接で事例を示す
先述したように、企業が採用するのは、すでに類似の職務を経験している人材だ。現在より上の役職で採用されることはめったにないため、経営幹部として採用されるには、すでにそのレベルで業務を遂行している印象を与える必要がある。
面接では、新たなアイデアやプロセスを提案した事例や、利益に直結した明確な成果を伝えるべきだ。その際、管理した人数や金額を具体的に示した方がいい。市場の浮き沈みにかかわらず成果を出すことができる、というストーリーがあればなお良い。
4. 面接後のフォローアップ
面接を受けた後にフォローアップすることで、候補者として記憶に残してもらうための努力をしているだろうか? 特に経営幹部職では、採用プロセスは複数回に及ぶ。会った全員を覚えておくことはもちろん、それぞれと何について話したかを記録しておくべきだ。そして、話した内容に基づき、それぞれの面接者に個別のフォローアップメールを送るといい。これは、あなたが相手の話を真剣に聞き、一人一人を大切に考えていることを示す差別化要因となる。
このような個別対応のフォローアップは、あらゆるレベルの候補者にとって有益だが、特に経営幹部レベルでは重要だ。多くの場合、部門をまたいで複数の意思決定者が存在し、それぞれ優先順位や好みが異なるためだ。こうした多様な関係者を調整する能力は、リーダーとして必要なスキルであり、今からこうした関係を築き始めておけば、採用に有利となるだけでなく、採用後も新しい職場になじみやすくなる。
5. 十分な数の候補を確保する
役職が上がるにつれて、求人は減っていく。典型的な企業構造はピラミッド型だからだ。求職活動において十分な数の候補を確保することは常に重要だが、求人が少ない状況ではなおさらだ。
質問者のカスタマーケア・ストラテジストは求職活動に行き詰まりを感じているということだが、これまでに何度応募したのだろうか? 新たな企業や意思決定者へのアプローチは継続的に行なっているだろうか? 複数の候補を同時に進めているのか? それとも一社ずつ進めているのだろうか? 後者の場合、求職活動のスピードが落ちてしまう。
求職活動に特効薬はない
採用プロセスには多くの変数が存在するため、求職活動が希望するような結果につながらない理由を特定するのは難しい。経営幹部職に就きたいのであれば、上に挙げた5つの要素すべてで高水準のパフォーマンスを発揮しなければならない。大企業での経験を買い、より高い役職を与えてくれる可能性が高い中小企業を狙うのも一つの手だ。


