高市早苗首相が残業の上限規制緩和を検討するよう指示したニュースが、働く現場に波紋を広げたことが記憶に新しい。「長時間労働の助長につながるのでは」という懸念の声がある一方で、働く女性たちの受け止めは意外にも肯定的だ。
女性向けキャリアメディア「Woman type」が20〜30代のフルタイムで働く女性100名を対象に実施した調査から、残業と幸福度の関係、そして規制緩和への本音が明らかになった。
幸福度の分岐点は月20時間
調査ではまず、毎月の平均残業時間について聞いた。その結果、「まったくない」「月10時間未満」と答えた人が71%を占め、さらに「月11〜20時間」を含めると、全体の88%が月20時間以下だった。働き方改革が進んだ結果、多くの働く女性が比較的短い残業時間で働いている実態が浮かび上がった。

では、この残業時間は仕事の幸福度とどう関係しているのか。「今の仕事で幸せを感じるか」という質問への回答を残業時間別に分析したところ、明確な境界線が見えてきた。
月20時間以下のグループでは49%が幸福を感じていたが、月20時間を超えると33%に減少。一方、「幸福ではない」と答えた人の割合は、月20時間以下では29%だったのに対し、月20時間超では67%と2倍以上に跳ね上がった。

この「月20時間」が、心身の余裕や幸福度を保てるかどうかのひとつの壁のようだ。



