幸福度を決めるのは残業しない自由
興味深いことに、幸福度を左右するのは残業時間の長さだけではなかった。「残業しない選択は自由にできるか」という質問への回答を幸福度別に見ると、より鮮明な傾向が現れた。
幸福を感じている人の55%が「残業するかどうかは完全に自由」と回答した一方、「まったく自由ではない」人で幸福を感じている人は0%だった。残業時間が短くても「上司が残業していると帰りづらい」(35歳・営業事務)という理由で幸福度が低い人もいた。

実際の残業時間の長さ以上に、「今日は帰ります」と気兼ねなく言える職場の空気こそが、働く女性の幸福度を大きく左右しているのかもしれない。
規制緩和への反応は肯定45%
残業規制緩和のニュースへの反応は、「ポジティブ」が45%で最多となり、「ネガティブ」の30%を上回った。肯定的に捉える人の方が多いという意外な結果だ。

ネガティブ派は「結局『残業せざるを得ない』雰囲気になりそう」(38歳・一般事務)と「残業しない自由」が失われることを懸念。一方、ポジティブ派からは「働きたい人が働ける選択肢が増える」(26歳・製造業)という声のほか、「残業代で稼げないのが不満」(27歳・開発職)という切実な声も寄せられた。
今回の調査が明らかにしたのは、時間の長さよりも残業を自由に選択できるかどうかが幸福度を左右するという現実だ。規制緩和への賛否が分かれる中、働く女性たちが本当に求めているのは、残業するしないを含めて、自分の働き方を自分で決められる環境なのかもしれない。
【調査概要】
調査対象:20~39歳の働く女性100名
調査方法:Webアンケート
調査期間:2025年10月22日~2025年10月23日


