テスラの株価は米国時間11月4日の取引開始後に2.6%下落した。これは、同社株を1.14%保有するノルウェーの政府系ファンドが、イーロン・マスクCEOに対する最大1兆ドル(約153兆円。1ドル=153円換算)の報酬パッケージに対して、5日に予定されている株主総会で反対する意向を発表した直後のことだった。
テスラの年次株主総会は、米東部時間5日午後2時に開催される予定だ。株主たちは、同社のCEOであり最大の株主でもあるマスクの報酬パッケージに対する投票を行う。この報酬パッケージは、マスクが特定の業績指標を達成した場合には最大1兆ドル(約153兆円)に達する可能性がある。
マスクが報酬の全額を受け取るには、2024年9月の米証券取引委員会(SEC)への提出書類で示された野心的な目標を達成する必要がある。そこには、追加で1200万台の車両を販売し、テスラの時価総額を8兆5000億ドル(約1305兆円)まで拡大することが含まれている。
また、この報酬はテスラの新規事業にも結びついており、「AIロボット」を100万体以上販売し、100万台のロボタクシーを展開するという目標も含まれている。
現在、マスクはテスラ株のおよそ12%を保有しているが、この報酬案が承認されれば、保有比率は25%を超える可能性がある。これは、マスクが2024年に求めた「経営への影響力拡大」という要求を満たすものとなる。
テスラの会長を務めるロビン・デンホルムは株主に対し、この報酬パッケージはマスクをCEOとして引き留めるために極めて重要なものだと説明した。デンホルムは「マスクが結果を出す動機を失えば、経営の座を退く危険があり、テスラは彼の時間、才能、そして卓越した株主利益を生み出すうえで不可欠だったビジョンを失うことになりかねない」と述べた。



