キャリア・教育

2025.11.09 16:00

未来の働き方はリモートでもハイブリッドでもない、「マイクロシフティング」だ

Bongkod Worakandecha / Getty Images

Bongkod Worakandecha / Getty Images

9時から5時までの定時労働は急速に姿を消しつつある。リモートやハイブリッド勤務が広がった現在、従業員は「どこで働くか」だけでなく「いつ、どのように働くか」を再構築している。硬直的なオフィス時間に生活を合わせるのではなく、生活に合わせて仕事を組み立てるようになっている。たとえば、早朝にログインしてメールを片づけ、昼はワークアウトや子どもの送迎で中抜けし、夕食後にプロジェクトを仕上げるといった具合である。この新たな潮流は「マイクロシフティング」(microshifting)と呼ばれ、働き方の次の段階を示す兆候である。

Owl Labs(オウル・ラボ)の「2025 State of Hybrid Work Report」によれば、オフィスワーカーの65%が、より柔軟な勤務スケジュールを望んでいるという。さらに、Deputy(デピュティ)の調査「The Big Shift: U.S. 2025」では、マイクロシフティングがナレッジワーク以外にも広がっており、サービス業界のZ世代が、介護、学業、複業の両立のために短時間シフトを積極的に取り入れていることが示されている。

従来の「9時~5時」モデルは、もはや現代の労働力に適していない。リーダーは、追跡よりも信頼を優先しなければ、優秀な人材を失うリスクがあるからだ。

「9時~5時」がもはや機能しない理由

9時~5時の勤務は産業革命期の遺物であり、工場の生産性を「在席時間」と「生産個数」で測る発想に基づいている。しかしナレッジワークは流れ作業ではない。それにもかかわらず、多くの企業は出社回帰(RTO:Return To Office)を一段と強めている。Owl Labsの報告では、従業員の63%が現在フルタイムで出社しており、ハイブリッド勤務者の出社日数も増加している。「ハイブリッド・クリープ」と呼ばれる徐々にオフィス出勤が増える現象では、ハイブリッド勤務者の34%が週4日の出社となっており、2023年の23%から上昇している。企業が従業員をオフィスに呼び戻す一方で、従業員は時計に生産性を縛られまいとして反発している。

マイクロシフティングとは何か

マイクロシフティングとは、1日の労働時間を連続した8時間ではなく、短く柔軟なブロックに分けて働く実践である。伝統的なフレックスタイム(たとえば9時始業を10時にずらす)とは異なり、マイクロシフティングでは、従業員が自分の生産性が高い時間帯や生活上の用事に合わせて、1日の中で断続的に働く自由を持つ。親であれば、朝7時から9時まで働き、登校の送りや用事で中断し、午後に数時間戻って、子どもが寝た後に再びログインして仕事を締めくくる、といった形だ。ホスピタリティや外食などの産業では、6時間以下の短いシフトを指すことが多い。ナレッジワーカーにとっては、単に「どこで働くか」ではなく、「スケジュールの自律性」を意味する。

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翻訳=酒匂寛

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