2025.11.14 10:15

観光業界のゲームチェンジャー、大企業が狙う「クルーズ」市場

MSCベリッシマ

MSCベリッシマ

日本の観光業界は、2030年に向けて大きく変わろうとしている。特に海のシーンにおいて。

オリエンタルランドが2028年に「ディズニークルーズ」を就航させるニュースを発表して以来、同社はクルーズ市場を成長させる着火剤として期待されている。国土交通省も、30年までに日本人クルーズ人口を100万人を目指すと掲げている。富裕層をターゲットとした大手ラグジュアリークルーズ「エクスプローラ ジャーニー」も27年に就航が予定されている。

もちろん、日本のクルーズ市場を狙うのは外資企業だけではない。国内大手も仕込みに動いている。商船三井はクルーズ事業を成長分野として注力する方針を掲げており、26年後半には3隻目となるクルーズ船「シーボーン・ソジャーン」の運航を開始する。郵船クルーズも34年ぶりの新造客船となる「飛鳥III」をこの夏に就航した。

飛行機、新幹線、列車、バスによる旅行が主流な日本に、クルーズが加わることで観光業界はどれほど変わるのだろうか。日本のクルーズ市場で現状トップの顧客数を持つ「MSCクルーズ」で、MSCグループ クルーズ部 日本・韓国・東南アジア代表取締役社長、オリビエロ・モレリ氏に話を聞いた。

──日本のクルーズ市場は今どういう状況でしょうか?

日本の年間クルーズ旅客数は、現在30万人ほど。10年前は約20万人だったので、爆発的ではなくとも着実に成長してきた市場です。日本の国内の年間旅行者数は約3億500万人なので、MSCクルーズはこのギャップを大きなポテンシャルと捉え、クルーズ人口の増加に取り組んでいます。10年でかなり成長しましたが、まだまだ「若い」ともいえます。

そもそも、世界のクルーズ市場の顧客の半分は米国が占めていて、その数は約1900万人と予想されているほど、かなり巨大な市場です。次にヨーロッパ、アジアと続きます。さらにアジアを細分化すると、市場規模は中国、シンガポール、日本の順となります。

MSCグループ創業者のジャンルイジ・アポンテおよび経営幹部は、日本の文化と多彩な町に魅力を感じて、18年前に日本支社を立ち上げました。私が赴任したのは、今から12年前で、当時の客数は年間たったの5000人。日本では船での旅が一般的でないことから、はじめはかなり苦労しました。

MSCクルーズジャパンでは、日本一周や那覇発着で旅行する国内クルーズと、海外発着の国際クルーズ「フライ&クルーズ」の2種類を提供しています。例えば、バルセロナ発着でマルセイユ・ジェノバ・ナポリ・メッシーナ・バレッタを巡る地中海クルーズなどが人気です。私は赴任当時、マネージング・ディレクターとして国際クルーズのプロモーションを担当していましたが、現在MSCクルーズジャパンの顧客の50%が、国際クルーズで旅を楽しんでいます。

MSCクルーズジャパンが手がけるベリッシマの船内
MSCクルーズジャパンが手がけるベリッシマの船内
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