勝者はクラウドで稼ぐ構図、アマゾンとグーグルが上振れ
CNBCによると、アルファベット、マイクロソフト、メタ、アマゾンの4社はいずれも今年のAI関連の設備投資計画を引き上げ、総額3800億ドル(約58.1兆円。1ドル=153円換算)を見込んでいる。しかし、投資家が評価したのはメタとマイクロソフトを除く企業だった。決算発表後に株価が上昇した勝者たちには明確な理由がある。
アマゾン
アマゾンの株価は、第3四半期決算の売上高と利益が市場予想を上回り、年間設備投資予算を70億ドル(約1.1兆円)上積みしたことを受けて上昇した。
CNBCによると、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の売上は前年比20%増となり、アナリスト予想を上回った。全体の売上高も13%増加し、コンセンサス予想を約24億ドル(約3672億円)上回った。1株当たり利益(EPS)は1.95ドルと、市場予想を38セント上回った。
アマゾンはAI関連の設備投資に1250億ドル(約19.1兆円)を投じる計画で、この規模は2026年にさらに拡大する見通しだ。最高財務責任者(CFO)のブライアン・オルサフスキーは決算説明会で、「今後もAIを中心に積極的な投資を続ける。AIは長期的に高い投資収益率を見込める巨大なビジネス機会だと確信している」と述べた。
グーグルの親会社アルファベット
グーグルの親会社アルファベットは、第3四半期決算で市場予想を上回る利益を計上し、設備投資計画も引き上げた。報告によると、売上高は過去最高の1000億ドル(約15.3兆円)を突破し、主力の広告事業とAI需要の高まりによるグーグル・クラウドの成長が業績を押し上げた。
CNBCによれば、アルファベットは設備投資計画を15%引き上げ、レンジの中央値で920億ドル(約14.1兆円)とした。
マイクロソフト
マイクロソフトは売上・利益ともに市場予想を上回ったものの、投資家の反応は冷ややかだった。設備投資の増加見通しをアナリスト予想以上に引き上げたことも、株価の重荷となった。
同社の第1四半期の売上高は776億ドル(約11.9兆円)に達し、Azureの売上が40%増と大きく寄与した。1株当たり利益(EPS)は4.13ドルと、いずれも予想を上回った。
しかし、Azureの需要が供給能力を上回り、成長の足かせとなったことが懸念された。CNBCによると、マイクロソフトは当初「成長は鈍化する」としていたが、2026会計年度の設備投資を最低でも940億ドル(約14.4兆円)と見込み、前年から45%の増加を予想している。
メタ株価、好決算でもAI収益化の道筋見えず下落
メタの株価は、売上・利益が市場予想を上回り、業績見通しも引き上げたにもかかわらず、10月30日の決算発表後に13%下落した。AI投資による明確な収益拡大の道筋が見えないまま設備投資が増加したことが嫌気された。この下落でマーク・ザッカーバーグの純資産は250億ドル(約3.8兆円)以上減少したとフォーブスは推定している。
第3四半期の売上高は前年同期比26%増の512億4000万ドル(約7.8兆円)となり、予想を18億ドル(約2754億円)上回った。EPSは7.25ドルで、コンセンサスを56セント上回った。さらに、第4四半期の売上見通しを中央値で570億ドル(約8.7兆円)とし、StreetAccountの予想を上回ったとザックス・インベストメント・マネジメントが伝えている。
一方で、設備投資見通しを従来より20億ドル(約3060億円)増の710億ドル(約10.9兆円)としたことが投資家の不安を招いた。CNBCは「メタにはクラウドサービスがなく、AI投資を直接収益化する明確なビジネスモデルが見当たらない」と指摘している。
投資家から「AI投資でどうやって収益を上げるのか」と問われた際、ザッカーバーグの答えは抽象的だった。「AI研究や新たな取り組みを進めるうえで必要な計算能力を確保し、コア事業の運用基盤を次の段階へ引き上げるために、いまそれを加速させるのが正しい判断だ」と彼は述べていた。
メタはAIが広告のターゲティング精度を高めていると主張するが、すべてのアナリストが同意しているわけではない。オッペンハイマーは「収益化の可能性が不透明」として、同社株を「ホールド(中立)」に格下げしたとCNBCは伝えている。


