3. リーダーと戦略管理職
リーダーシップや戦略に関わる職務は将来像を明確にし、複雑な人間関係をうまく操り、組織内の各方面の人に影響を与える必要があるため、自動化するのは難しい。これらの職務は感情的知性や意思決定、コミュニケーションによるところが大きく、いずれもテクノロジーでは再現できないスキルだ。
こうした職務を目指すには、今すぐ視野を広げることから始めよう。たとえ小さいプロジェクトやチームでも、ボランティアで率いるといい。結果を出し、明確に意思疎通を図ることで信頼を得ることができる。ビジネスの成果や市場の動向、リーダーシップの原則を研究して戦略的思考を身に付けたい。他の人を指導し、部門横断的な関係を築く機会を持つことも望ましい。他の人を導き、方向性を示す人物として自らを位置づけることで、取って代わられにくくなる。
4. 独創的な思考が売りのクリエイティブ職
創造性やストーリーテリング、デザインイノベーション、ブランド戦略は機械がまだ苦戦している分野だ。AIが手助けしてくれるかもしれないが、人間の洞察の閃きは人間特有のものであることに変わりはない。自動化のリスクに関する複数の分析によると、創造的な分野のキャリアはますます耐性のあるものになっている。
創造的な仕事に惹かれるのであれば、自分の独創性と影響力を強調するポートフォリオを作ろう。予期せぬ方法で問題を解決したことを示す特定の事例を書こう。ツールやトレンドは常に取り入れつつ、独自の声やスタイルを意識する。分野を超えて協力できる仕事を探すことを勧めたい。創造性は戦略や目的と結びつくことで発揮される。やがてあなたのブランドはAIには真似できない人間の財産となる。
5. AIシステムの構築と指導に特化した技術職
AIは一部の仕事を奪うかもしれないが、AIシステムの構築や管理、指導においては新たな仕事を生み出すこともある。AI、機械学習、データエンジニアリング、人間とAIの統合のスキルは需要が高く、比較的自動化されにくい。2024年の調査では、AIが人間のスキルを代替するのではなく、互いに補完し合う仕事の需要が目立って増えると指摘されている。
この道に進むには、自分が好きな技術分野を選び、プログラミングの基礎やデータ構造、クラウドコンピューティングなどの基礎スキルをまずは身に付けよう。AIエンジニアリングやアナリティクスに特化したオンラインコースや短期集中型の講座を受講するといい。ポートフォリオに掲載できる実践的なプロジェクトに取り組むのもお勧めだ。同時に、AI倫理やチームを超えたコミュニケーション、適応力といった対人関係のスキルも身に付けるといい。雇用主は、AIの能力を現実のビジネスへのインパクトに変換できる専門家をますます高く評価するようになっている。
AIと自動化に淘汰されないキャリアを選ぶことは「安全な仕事」を追い求めることではない。あなたの人間的な強みが物を言う職務を選ぶということだ。ヘルスケアの専門家、技能職、リーダー、創造的なイノベーター、AI関連の技術職、いずれを目指すにしても将来の変化に対応できるキャリアパスを築くことができる。
ピンとくる職務をさっそく1つ選び、最初のステップであるリサーチ、スキル構築、人脈作り、実践練習を検討することから始めよう。人間の強みと新たなテクノロジーを融合させる適応力こそがあなたの長期的な強みとなる。未来は自分で切り開くことができる。自信を持って進んでほしい。


