起業家

2025.11.06 11:00

自動運転の技術を医療へ ウーバー出身起業家が挑む「医師と患者のマッチング」 最適化システム

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2024年1月、当時38歳のホーと47歳のブルーメンバーグは、次なる起業テーマをめぐって密かに構想を練り始めていた。高齢者介護用のヒューマノイドロボットや、臨床情報検索エンジンの改良などがアイデアに挙げっていた。転機となったのは、51歳の救急医ジャバヘリアンとの出会いだ。彼はデジタルヘルススタートアップ「カーボン・ヘルス」で最高臨床イノベーション責任者を務めた経験を持つ。同年8月、ジャバヘリアンはセージ・ケアに共同創業者兼最高医療責任者として参画した。「初めて会った瞬間、彼は私たちのキャリアが患者向け診療ナビゲーションの課題解決に最適だと直感していた」とホーは当時を振り返る。

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医師や専門医の予約を取る際に苦労した経験がある人なら、数ヵ月先まで埋まった待ちリストの中から最適な医師を見つけ、スケジュールを確保する困難さを理解できるだろう。一方で、病院や医療機関にとっては、予約のすっぽかしや診察、症状に対して適さない医師への予約、準備不足による再予約といった事態が頻発し、大きな問題となっている。ジャバヘリアンは、「直前キャンセルが埋まらず診察室が何時間も空いたままになるなど、現状のシステムはあまりに非効率だ。患者が数ヵ月も診察を待つ一方で、医療システム側ではこれほどの無駄とキャパシティの損失が生じているのは深刻な問題だ」と指摘する。

ジャバヘリアンは数ヵ月にわたり、他の二人の共同創業者にこれらの課題を説明した。その過程で、ホー自身が身をもってこの問題を体験することになった。娘グレイシーが誕生した際、黄疸の治療が必要となり、光線療法のために三度も再入院を余儀なくされたのだ。「間違った専門医に割り当てられ、不適切な指導を受けた。適切な小児科医を見つけ、診察予約を取るのに手間取った。育児休暇の最初の3週間は、ほぼ電話対応に費やした」とホーは振り返る。

昨冬、彼らはこの問題の解決に集中する中、全米の病院や医療機関を視察し、テクノロジーによる改善の可能性について現場の意見を聞いて回った。「我々の狙いは、単に患者と医師をマッチングする会社を立ち上げることではなかった。しかし57もの医療機関と話す中で、我々の専門知識を活かして航空管制システムのように患者向け診療ナビゲーションを管理する仕組みを構築できれば、多くの人々を助けられることに気づいた」とホーは語る。同社の最高技術責任者であるブルーメンバーグは、テクノロジーなしではコールセンターのオペレーターが最善の判断を下すことは不可能だと指摘する。「患者も医療提供者も数が膨大で、オペレーターは患者の電話対応でプレッシャーにさらされている」と彼は言う。

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ホーは、セージ・ケアの技術によって医療機関は管理上の無駄を削減することができ、患者ケアの質を高めながら収益を15~20%増加させられるようになると主張する。「これこそが、我々のプラットフォームを導入することで医療機関が期待できる効果だ。予算削減のプレッシャーが強い中で、彼らにとって大きな助けになるだろう」と彼は語った。

forbes.com 原文

編集=朝香実

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