サイエンス

2025.11.05 18:00

コロンブスが南北アメリカに持ち込んだ、4つの重要な農作物

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入植初期に持ち込まれたほかの植物

コロンブスが乗った船には、欧州人が食生活に欠かせないと考えた作物の種も積まれていた。例えば、玉ねぎやニンニク、キャベツ、レタスなどの種だ。こうした野菜は、サトウキビやバナナに比べると、さほど大きな影響を及ぼしていないが、はるかに重要な目的を象徴するものだった。その目的とは、祖国の暮らしを再現することだ。

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野菜は、カリブ海の気候では栽培が難しかったが、やがて、気温の低い高地や沿岸の入植地で根付いていった。コロンブスがやってくるまで、相当する野菜は存在していなかったが、玉ねぎとアブラナ属の野生種はあった。生態学的に見た影響は控えめだったものの、文化的な面では、アメリカ大陸の食文化が欧州化していく始まりとなった。

コロンブスが船で持ち込んだ農作物として最後に挙げたいのは、メロン、パセリ、ミント、オレガノ、バジルだ。メロンは、温暖で乾燥した地域でよく育ち、農業を営んでいた先住民にすぐに受け入れられた。一方のハーブ類は主に、宣教師の家の庭や、修道院の敷地内で、修道士が食用や薬用に栽培する程度だった。

このようにして持ち込まれた植物種や作物の多くは、広範囲にわたって定着することこそなかったが、小規模な農業システムの確立をあと押しし、最終的には、欧州とアメリカの作物の混合種が生まれることになった。新世界における最初期の農業交配の事例といえるだろう。

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とはいえ、忘れてならないことがある。欧州から主要な農作物が西方に持ち込こまれたと同時に、南北アメリカからも在来種が東に向けて海を渡っていったことだ。新世界からは、トウモロコシ、ジャガイモ、トマト、カカオ、トウガラシ、タバコ、豆類などが大西洋を渡って欧州に広まり、旧世界の食文化に革命を起こした。

いずれにせよ、コロンブスの航海を背景にして考えると、植民地経済の基礎を築いたのは、新たに持ち込まれた小麦、サトウキビ、バナナ、柑橘類だった。ひいてはそれらが、南北アメリカの生態系そのものを永久に変えた。

南北アメリカ大陸は、超大陸であるパンゲア大陸の分裂と最終氷期以来、長く孤立していたが、コロンブス到来を機に突如、ユーラシア大陸の種が広まることとなった。それらの種は、ユーラシア大陸のまったく異なる気候と相互作用に適応していたため、幸運にも南北アメリカ大陸でうまく繁殖できた種もあったが、多くは根付くことができなかった。

どちらにしても、こうしたことが相まって、生物学的な均質化が始まった。かつて分断されていた生態系が融合し、種と商業活動が絡み合う単一のグローバルなネットワークが生まれたのだ。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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