“He is a monster.” 「彼は怪物だ!」
筆者の同僚が、大谷翔平選手のプレイオフでの好投と3本のホームランをわずか数時間の間で(1試合の中で)目にした時呟いた言葉である。日本の友人たちによく聞かれる「大谷選手の活躍は、アメリカ人にはどう映っているのか?」筆者の同僚が思わず口にしたのがその答えである。同じカリフォルニア州であること、筆者の周りにはスポーツ関係者が多いことも手伝ってか、彼の名前とその活躍を知らない人に出会ったことがないと言っても過言ではない。
イチローは米国で、真の怪物とは呼ばれなかった
ここでイチロー選手と大谷選手を比較してみよう、甲乙つけることなどできないが、カテゴライズするとしたら、技巧派ヒッターとパワーヒッターだ。読者の皆さんも共通の認識をお持ちのことと思う。
フットワーク軽快でミートが上手い技術が高いタイプの選手はここアメリカでは「怪物」とは呼ばれない。そして、そのタイプの選手はアメリカ人が抱く日本からきた野球選手のイメージにぴったりであった。
しかし、大谷選手は後者である。彼らが持つ日本人の野球選手のイメージとは180度違う、まさに怪物が目の前に現れたのである。しかもその怪物は二刀流というアメリカ人がここ数十年の間目にしていなかった大きな副産物付きで現れたのである。
アメリカ人が持つ日本人のイメージとの乖離も手伝ってか、大谷選手は、アメリカ人からみても、Monster やFreakと呼ばれる且つ唯一無二の存在となっている。



