北米

2025.11.03 09:00

チポトレなど米ファストカジュアル勢が苦境 低所得層が外食手控え、株価総崩れ

Ken Wolter / Shutterstock.com

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米外食チェーン、チポトレ・メキシカン・グリルのスコット・ボートライト最高経営責任者(CEO)は、若年層の消費者や年収10万ドル(約1540万円)未満の世帯が外食への支出を切り詰めていると述べた。米ファストカジュアルチェーン各社の株価は軒並み下落を続けており、ボートライトは同様の外食手控えは業界全体に広がっているとも指摘している。

年収10万ドル未満の世帯は、チポトレの売上高のおよそ4割を占める中核的な顧客層だ。だが、ボートライトによるとこの層は外食の回数を減らしており、とくに25〜35歳の年齢層で顕著だという。

チポトレの株価は10月31日までの1年で43.7%、10月には19.2%下落している。

ファストカジュアル業態のほかのチェーンも苦戦している。地中海料理の新興カヴァの株価は1年で59.9%、10月も10.5%下落し、10月31日には52週ぶりの安値をつけた。サラダ専門のスウィートグリーンの株価も1年に比べ82.8%下げており、10月も21.5%下落している。

チキンウィング専門のウィングストップも振るわず、株価は過去1年で26.1%、10月には13.9%下落している。

一方、ハンバーガーのシェイク・シャックの株価は1年前から20.4%下げているものの、10月には予想を上回る四半期決算が好感されて3.6%上昇した。同社は第3四半期(7〜9月)に売上高が15.9%増え、黒字転換も果たしている。

外食を控える若年低所得層

ボートライトは、チポトレのコア顧客層が受けている圧力は業界全体でみられるものだと警鐘を鳴らしている。失業率の上昇やローン返済、インフレ、賃金の伸びの鈍化などが外食予算を抑える要因になっている。

全米レストラン協会の2025年のリポートでも、こうした傾向が浮き彫りになった。経済的な不安を抱えるなか、米国の消費者の40%が支出を減らし、41%が購入を遅らせている。顧客が以前よりも価格を意識するようになっていると回答した飲食店運営業者は95%に達した。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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