宇宙

2025.11.02 18:00

レモン彗星を見送り「火球」を眺める 2025年最大のスーパームーンが昇るドラマチックな11月の夜空

イタリア半島を南北に縦断する山脈の最高峰コルノ・グランデの背後から昇る「ビーバームーン」の満月。イタリア・ラクイラにて2024年11月16日撮影(Lorenzo Di Cola/NurPhoto via Getty Images)

5. オリオン座の帰還

時期:11月
場所:日没後の東の空

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星空ファンやアマチュア天文家にとって嬉しいことに今月は、冬を代表する星座、オリオン座が夜ごとに高く昇る。まず目に留まるのは、何といってもベテルギウスだろう。オリオンの右肩に輝くこの赤色超巨星は、もういつ超新星爆発を起こしてもおかしくはなく、今後10万年以内には間違いなく爆発するといわれている。

オリオン座(Shutterstock.com)
オリオン座(Shutterstock.com)

次いで「オリオンのベルト」の通称を持つ三つ星にも目が行くはずだ。ほぼ等間隔に並ぶ3つの星は、左側から順に「アルニタク」「アルニラム」「ミンタカ」と名付けられ、それぞれアラビア語で「帯」「真珠の帯」「ベルト」を意味する。そう、実はすべて同じ由来なのだ。

6. しし座流星群が極大

日時:2025年11月17日夜~18日未明
方角:全天、しし座に放射点がある

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「しし座流星群」は以前、流星雨をはるかに凌ぐ壮大な数の流星が降り注ぐ「流星嵐」が目撃されたことで知られる。2025年の出現数は控えめで、条件の良い空でも1時間あたり約15個程度とみられるが、最大の特徴は流星の流れるスピードだ。流星群の中でも最速の部類に入り、長く輝く軌跡(流星痕)を残すことが多い。

しし座流星群の流星痕。2009年11月17日撮影(Navicore, CC BY 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/3.0>, via Wikimedia Commons)
しし座流星群の流星痕。2009年11月17日撮影(Navicore, CC BY 3.0 , via Wikimedia Commons)

7. 朝の水星

日時:2025年11月30日、日の出約30分前
方角:東南東の地平線

11月の末になると、水星が朝空に戻ってくる。太陽に最も近く小さな水星は地上から観察するのが難しい天体だが、30日には東京で日の出30分前の高度が10度を超えるので、肉眼でも見つけられる可能性がある。双眼鏡を使えば見つけやすいだろう。東南東の視界が地平線や水平線まで遮られていないことが条件になるが、日の出直前にそっと存在をアピールする太陽系最小の惑星を探してみてほしい。

2025年11月30日(東京:午前6時頃)の東南東の空(Stellarium)
2025年11月30日(東京:午前6時頃)の東南東の空(Stellarium)

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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