テクノロジー

2025.11.03 08:00

「iPhoneはAndroidより安全性が低い」と主張する新調査

Elvard project / Shutterstock.com

Elvard project / Shutterstock.com

待望の「iOS 26.1」アップデートがiPhoneに画期的な新セキュリティ機能をもたらそうとしている一方で、人間的な挙動を装うパスワード窃取ツール「Herodotus(ヘロドトス)」、ハッキングコンテスト「Pwn2Own Ireland 2025」で明らかになった、Samsung Galaxy S25ハッキングに関するAndroidのセキュリティ警告が見出しを飾っている。

そうした状況の中で、AndroidのほうがiOSより安全だという考えはどこから来たのかと疑問に思うかもしれない。その答はグーグルだ――まあ、ある意味で、だが。今回グーグルのAndroidチームとMessagesチームが公開した新しいブログは、Counterpoint Researchによる新たに発表された独立調査の結果を明らかにし、フィッシング、マルウェア、盗難への対策においてAndroidが先行していることを詳述している。知っておくべき点は次のとおりだ。

iPhoneユーザーは、自分の端末がモバイル詐欺を阻止するのに「効果的でない」と答える可能性がPixelユーザーに比べ150%高い

グーグルの投稿から主要な統計を取り上げると、YouGov(ユーガブ)の調査では、AndroidユーザーはiOSユーザーよりも20%高い割合で、自分のスマートフォンが提供する詐欺対策が「とても効果的」または「極めて効果的」だと答えたことがわかった。ピクセル(Pixel)ユーザーでは統計はさらに顕著で、モバイル詐欺の阻止について自分の端末が「まったく効果的でない」と結論づける可能性は、iPhoneユーザーのほうが150%高かった。YouGovはまた、Androidユーザーの58%が前週に詐欺テキスト(SMS)を一通も受け取っていないと答え、3通以上の詐欺テキストを受け取ったと報告した割合はiPhoneユーザーのほうが65%多かったことも明らかにした。

AIを活用した防護策は、Androidが9つのサブカテゴリー、iPhoneは2つで提供

グーグルのブログが基にしている、Counterpoint Researchの調査結果は、筆者のセキュリティ・ギーク的な視点からはさらに興味深い。モバイル脅威に対するAI駆動の保護に絞って、セキュリティ研究者は4つのベンダー(Androidが3社、iOSが1社)、すなわちピクセル、サムスン、モトローラ、そしてiPhoneの最新スマートフォンを比較した。詐欺、フィッシング、ウェブ、アプリのマルウェア、物理的盗難に対する保護といったカテゴリーにわたり、Androidは9つのサブカテゴリー(下の図を参照)すべてで防護策を提供していると判定されたのに対し、iPhoneが基準を満たしたのはわずか2つだった。

調査結果のページより引用(Google)
調査結果のページより引用(Google)

AndroidとiPhoneのどちらが安全かには簡単な解はない

「Androidの詐欺防御は、世界中のユーザーを毎月100億件以上の不審な悪意ある通話やメッセージから守っている」。そう述べたのは、Phone by Googleのプロダクトマネジャーであるリュボフ・ファラフォノワ、Google MessagesのRCSスパム&不正対策担当シニアプロダクトマネジャーであるアルベルト・パストール・ニエト、Android Messaging & Chrome Extensions Securityのマネジャーであるヴィジェイ・パリークだ。また、今回の独立系セキュリティ調査は、AndroidとiOSがモバイル脅威からどの程度ユーザーを保護しているかを明らかにするために委託されたものだと付け加えた。

筆者は当然ながらアップルにコメントを求めている。しかし、AndroidとiOSの両方のデバイスを使い、日常使いは最新のiPhone 17 Pro Maxの身としては、どちらの端末でも詐欺などに悩まされたことはない。各モバイルOSの相対的な優劣に関するKaspersky(カスペルスキー)の報告がかつて結論づけたように、「iOSとAndroidのどちらがより安全か」という問いに明確な答えはない。テクノロジーには常に何らかの弱点があるため、標的になる可能性は常に存在する。したがって、安全な使い方を実践し、データを託す企業を常に見直し続けることは、「結局のところ自分次第」なのだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事