2. あなたのニーズが2人に恩恵をもたらすことを説明する
時として、自分のニーズを表現しようとするとき、それは恐れや罪悪感、あるいは怒りからきているかもしれない。もしかするとあなたの内なる対話は次のようなものだったりするだろうか。
・「自分が相手に求めていることを表現したら、相手は怒るだろうか」
・「相手はすでに大変な思いをしている。私のことでさらに負荷をかけてもいいものか」
・「なぜいつも私が理解する側なのか。たまには相手も私を理解しようとするべきではないか」
そのため、いざ自分がパートナーに求めていることを表現しようとすると、対立的で防衛的、あるいは最低限の表現になってしまうことがある。
一見些細な行動が、1年後の関係の満足度や安定性に影響する
専門誌『Journal of Family Psychology(ジャーナル・オブ・ファミリー・サイコロジー)』に掲載された研究では、カップルの日常の些細なやりとりが、どのように2人の関係の健全性を形成しているかについての洞察が示されている。研究者らは106組のカップルの日常会話を分析した。
その結果、温かさや遊び心、わずかに距離を置くといった一見些細な行動が、1年後の関係の満足度や安定性に大きな影響を及ぼすことがわかった。温かさや軽快な遊び心を表現するカップルは別れる可能性が低く、一方で敵意や感情的な引きこもりに依存するカップルは不満が大きく、関係が悪化する可能性が高かった。
つまり、日常のやりとりのトーンや意図はある意味、会話の長さや深さよりも重要なのだ。自分のニーズを伝えるときにこれをどのように応用できるかを紹介しよう。
・自分にとって重要である理由をまず説明する:相手に求める行動があなたにとって関係上、あるいは感情的にどんな意味があるのかを説明することから始める。例えば、「家に着いたらメールをくれるとつながっていると感じる」と伝えることで、あなたの求めは支配ではなく、つながりの要求として位置づけられる。
・曖昧ではなく具体的に:曖昧にしているニーズを明確なものに変える。「もっと努力してほしい」と言う代わりに「週に1度は一緒に夕食を取りたい」と具体的に求める。そうすることで誤解を回避できる。
・肯定的な言葉で伝える:建設的な表現を使って、あなたが思い浮かべている肯定的なイメージを相手が描けるようにする。うまくいっていないことに焦点を当てない。「あなたは話を聞かない」ではなく、「私が何か重要なことを話しているときに、あなたが本当に話を聞いてくれると私はあなたとつながっていると感じる」と言う。
・お互いのためになることを示す:あなたのニーズを満たすことが、双方にウェルビーイングをもたらすことを強調する。例えば「週末の予定を一緒に組むとケンカがなくなるし、私たちは一緒なんだと感じることができる」と言うことができる。
自分のニーズを優しく正直に表現することを学ぶ
自分のニーズを優しく正直に表現することを学ぶことは、感情的に成熟していることの証だ。理想的でバランスの取れた関係を毎日作ることではなく、それぞれが成長し続けられるような素直さを作ることが鍵だ。感情的なニーズは無視しても消えることはなく、引きこもりやイライラ、距離感といった別の形で表面化するだけだ。それを声に出すことで愛を長続きさせることができる。
この正直さは、あなたとパートナーとの間でより深い親密さと尊敬の念を育む
自分のニーズをはっきりと口にするようになれば、互恵的で感情的に安全だと感じられるパートナーシップを築く重要な一歩を踏み出すことになる。オープンにコミュニケーションを取ろうとするあなたの姿勢は信頼や脆弱性、関係を成長させることへの思い入れを示す。それは、物事がうまくいくようあなたが十分に気にかけていることを示しているのであって、要求が多い人、あるいは大げさな人だということではない。やがてこの正直さはあなたとパートナーとの間でより深い親密さと尊敬の念を育む。愛は理解を踏まえて育まれることを忘れないでほしい。真実を打ち明け、パートナーにも同じようにするように誘うことで、あなたは信頼性とずっと続くつながりの基盤を築いているのだ。


