海は決して一つの側面だけでは語れない。
旅行者や夢想家にとって、海は驚異の場所であり、視界の果てまで広がる水平線だ。環境保全活動家にとっては、人間の影響から保護が必要な生物で満ちた脆弱な生態系である。漁師にとっては、職場であり、タイミングや技術、潮の知識が豊漁と空網の違いを生む生計の源だ。科学者にとっては、地球の内部メカニズムを明らかにするデータポイント、海流、生物種で満ちている。そして地域社会にとっては、歴史であり糧であり、何世代にもわたって文化、料理、伝統を形作ってきたものだ。TUNACONS財団が運営する58隻の巾着網マグロ漁船にとって、この広大な海域は単なる漁場ではなく、持続可能性の実験室である。毎日、観測員たちは鉄と木が海と出会う甲板に立ち、捕獲するマグロだけでなく、これらの海域を共有する他の生物（サメ、エイ、ウミガメなど）も追跡している。センサーがデータを収集し、衛星タグがモブラエイやヨシキリザメの旅を追跡し、海のリズムは測定可能なパターンとなり、人間の活動と海洋生物の間の繊細なバランスを明らかにする。この船団の各船では、各網の引き上げは収穫であると同時に実験でもあり、混獲種の放流は、これらの海域を生き生きとさせる生物を保護しながら、責任ある漁業を行う方法を理解するための一歩なのだ。
東太平洋で年間13万トン以上のマグロを漁獲するTUNACONSは、海洋管理協議会が設定した基準をさらに上回る責任ある漁業に取り組んでいる。TUNACONSのディレクターであるギレルモ・モラン氏にとって、この偉業は単に割当量や規制を満たすことではなく、魚の個体数を生産的に維持し、他の種や生息地を繁栄させ、人間の活動が可能な限り小さな生態学的足跡を残すことを確実にすることだ。この取り組みの中心にあるのは、国内外の基準に沿って100％のカバー率を達成したクラス6船舶向けの船上オブザーバープログラムだ。観測員はマグロから保護種に至るまで、あらゆる漁獲と混獲事象を綿密に記録し、甲板上で何が起きているかを確実に把握できるようにしている。このプログラムは全米熱帯マグロ類委員会やエクアドルの国家プログラムと同じデータプラットフォームを使用し、一貫性と正確性を確保している。船上での最良の実践を適用することで、乗組員は動物を慎重に扱い、混獲を減らし、運用効率を高めるよう訓練されている。
2017年以来、TUNACONSはカリフォルニア大学サンタクルーズ校の保全行動研究所、マンタ・トラスト、モントレー湾水族館、そしてIATTCと協力して、東太平洋の5種のモブラエイを研究している。観測員は組織サンプルを収集し、モブラに衛星装置を取り付けて放流後の生存を追跡するよう訓練されている。ワシントン条約（CITES）の承認を得て45以上の組織サンプルが収集・解析され、個体群の遺伝学と空間分布に関する知見が得られた。2019年以降の衛星タグ付けは、生存率とそれに影響する要因に関する貴重なデータを提供し、観測員は偶発的に捕獲された250匹のモブラのうち37匹にタグを付け、98％の生存放流率を達成した。ヨシキリザメ（Carcharhinus falciformis）もTUNACONSの取り組みから恩恵を受けた別の種で、27匹に衛星タグが取り付けられ、91のサンプルからストレスレベルを測定するための血液が採取された。これにより研究者は放流後の生存を評価し、漁業慣行が脆弱な種にどのように影響するかを理解できるようになった。
観測員は現在、船上のフィールドマニュアルに支えられ、主要種（ウミガメ、多数のサメ種、マンタなど）の識別に関する専門的な訓練を受け、リアルタイムの保全決定を下せる知識豊富な人材となっている。2018年から2024年初頭にかけて、TUNACONSは混獲種の生存放流を数千件記録した：ヨシキリザメ13,484匹、その他のサメ3,908匹、モブラエイ654匹、ウミガメ384匹。しかし財団の活動は海洋に限定されない。デジタル革新とデータ分析は漁業管理の改善の中心であり、TUNACONSの漁業管理プロジェクトの第2フェーズでは、環境・運用変数と広範な船団からの過去のデータとともに人工知能を取り入れている。この拡張されたデータセットにより、予測モデルは漁業力学の変化をより適切に予測し、意思決定を導くことができる。ダイナミックなダッシュボードは47万1000以上のデータポイントを処理し、重要な情報を管理者がより簡単にアクセスできるようにし、証拠に基づく運用選択を可能にしている。また、新しいデータセットの統合とダッシュボード機能の拡張計画も進行中だ。データ統合の遅延などの課題には対処されており、2023年のデータと2024年第1四半期のデータ処理の最終化、および漁業管理システム強化のためのパートナー企業からの追加データに関する継続的な取り組みが行われている。
TUNACONSの物語は、究極的には人間の技術とテクノロジー、経済活動と生態学的責任の統合の物語だ。彼らは大規模な責任ある漁業が可能であることを実証し、漁業の未来がどのようなものになり得るか—すべての決定が科学に基づき、すべての生物が重要視され、すべての関係者が役割を担う未来—を垣間見せてくれた。海洋がますます圧力に直面する世界で、このような取り組みは、人間の創意工夫が自然と調和し、マグロとその海の隣人たちが共に繁栄し続けることを保証できるという希望を与えてくれる。
