近年、リチウムイオン電池を搭載したモバイルバッテリーに起因する発火・火災事故のニュースが相次ぎ、その危険性が社会的な問題となっている。スマートフォンやタブレットの長時間利用が常態化した現代において、外出時にモバイルバッテリーは不可欠なツールと言える。しかし、その利便性の高さの裏側で、政府も対策に乗り出しており、小型家電リサイクル法でモバイルバッテリーの回収義務化の検討などの協議が進んでいる。
クロス・マーケティングが実施した「モバイルバッテリーに関する調査」によると、モバイルバッテリーの危険性について、まだまだ認識不足であることがわかった。
まずモバイルバッテリーの所有率について、半数以上の人が所有していることがわかった。所有率は世代間での大きな差は見られないものの、外出時に「常に持ち歩く」層では20代が20.5%と全体平均(15.3%)を上回る。若年層のスマホ利用率の高さが伺える結果だ。

こうした高い携帯率とは裏腹に、安全意識の低さが見られる。最近の発火や膨張に関するニュースを見聞きした際の意識を問うたところ、「特に何も気にしていない」が36.4%に上り、特に若者の意識が低い結果となっている。また、「安全性は気になるが、特に使い方や製品を変えてはいない」が23.1%おり、両者を合わせると約6割のユーザーが具体的な行動変容に至っていない状況だ。

さらに、モバイルバッテリーの処分方法について、「確実に知っている」と回答した人は全体の1割程度。正しい処分方法を「知らない」人が約6割に達するほど、処分方法が認知されていない。特に若年層では顕著で20代では7割近くが処分方法を「知らない」と回答しており、政府の取り組みと合わせて早急な取り扱い方法の訴求活動が必要だと言えよう。

モバイルバッテリーの主流であるリチウムイオン電池は、小型製品に多く利用されており、粗悪品が出回ることも少なくない。最近は、発火性の低い電池も販売・利用されているものの、まだまだ価格も高く普及には至っていない。
行政、メーカー、そして小売店による、特に若年層をターゲットとした取扱方法の注意喚起と認知促進を継続的に行う必要のある喫緊の課題だと言えるだろう。
出典:クロス・マーケティング「モバイルバッテリーに関する調査」より



