アクシオムは2022年、AWSが開発した「AWSスノーコア」(2TB SSD、Intel Xeon搭載)をISSに向けて打ち上げ、エッジ処理やストレージの実証試験を行った。また、2025年8月には自社設計の「AxDCU-1」(1TB SSD、Red Hat Device Edge搭載)をISSに設置して、AIやMLなどの機能テストを行ってきた。アクシオムによるこのプロジェクトは「ODC T1」と呼ばれる。
アクシオムが提携するカナダのケプラー・コミュニケーション(以下ケプラー)は、10機の小型衛星で構成される光データ中継衛星群「ケプラー・ネットワーク」の打ち上げを2025年末までに予定している。これらはコンパクトなデータセンター衛星であり、光衛星間リンクで相互にデータをやり取りしながら衛星コンステレーションを形成するが、アクシオムはこの衛星群のうちの2機を購入し、「ODC 1」「ODC 2」と命名した。この2機はノード(ネットワークを構成する機器など)としての役割を果たし、宇宙クラウドコンピューティングを構築する。
ケプラー・ネットワークに対応するためにアクシオムは、ISSに搭載する新たなデバイスとして、米スペースビルトと共同開発した「AxODC Node ISS」(100TB SSD、AxODC Core搭載)を2027年に打ち上げ、光衛星間リンクでケプラー衛星群と連携させることで、さらに処理能力の高いシステムの構築を目指す。また、ケプラーは同年、ケプラー・ネットワークの第二弾を打ち上げる予定であり、ESA(欧州宇宙機関)の高スループット光ネットワーク「HydRON」をサポートする予定だ。
AWSの基盤を宇宙へ


