宇宙

2025.11.03 10:00

エヌビディアがAI搭載衛星を11月に打ち上げ、次世代インフラ「宇宙データセンター」の時代が始まる

スタークラウドが構想する一辺4kmの超巨大軌道上データセンター (c)Starcloud

アクシオムは2022年、AWSが開発した「AWSスノーコア」(2TB SSD、Intel Xeon搭載)をISSに向けて打ち上げ、エッジ処理やストレージの実証試験を行った。また、2025年8月には自社設計の「AxDCU-1」(1TB SSD、Red Hat Device Edge搭載)をISSに設置して、AIやMLなどの機能テストを行ってきた。アクシオムによるこのプロジェクトは「ODC T1」と呼ばれる。

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「ケプラー・ネットワーク」の概念図。左右に描かれる2機のODC衛星がアクシオムの所有機 (c)Kepler/Axiom Space
「ケプラー・ネットワーク」の概念図。左右に描かれる2機のODC衛星がアクシオムの所有機 (c)Kepler/Axiom Space

アクシオムが提携するカナダのケプラー・コミュニケーション(以下ケプラー)は、10機の小型衛星で構成される光データ中継衛星群「ケプラー・ネットワーク」の打ち上げを2025年末までに予定している。これらはコンパクトなデータセンター衛星であり、光衛星間リンクで相互にデータをやり取りしながら衛星コンステレーションを形成するが、アクシオムはこの衛星群のうちの2機を購入し、「ODC 1」「ODC 2」と命名した。この2機はノード(ネットワークを構成する機器など)としての役割を果たし、宇宙クラウドコンピューティングを構築する。

ケプラー・ネットワークに対応するためにアクシオムは、ISSに搭載する新たなデバイスとして、米スペースビルトと共同開発した「AxODC Node ISS」(100TB SSD、AxODC Core搭載)を2027年に打ち上げ、光衛星間リンクでケプラー衛星群と連携させることで、さらに処理能力の高いシステムの構築を目指す。また、ケプラーは同年、ケプラー・ネットワークの第二弾を打ち上げる予定であり、ESA(欧州宇宙機関)の高スループット光ネットワーク「HydRON」をサポートする予定だ。

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AWSの基盤を宇宙へ

ジェフ・ベゾス氏は「イタリアン・テック・ウィーク」でフェラーリ社の会長ジョン・エルカーン氏との対談。軌道上データセンターの未来を語った (c)Italian Tech Week 2025
ジェフ・ベゾス氏は「イタリアン・テック・ウィーク」でフェラーリ社の会長ジョン・エルカーン氏との対談。軌道上データセンターの未来を語った (c)Italian Tech Week 2025
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編集=安井克至

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