ヘルスケア

2025.12.02 15:15

粉ミルク製造の手法 口腔衛生製品に応用可能も、歯周病治療への秘密兵器に?

AdobeStock

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グアバの葉、リンゴやイチジクの皮、特定のお茶、アーモンドなどの植物から抽出される天然化合物「モリン」を基にした粉末は、歯周病を引き起こす細菌に対して抗菌・抗炎症・抗酸化作用を示した。ポリマーを介して制御された形で放出されるこの物質は、微生物制御のための抗生物質代替として、非外科的治療に貢献することが期待されている。

ブラジル・サンパウロ州立大学アララクアラ歯学部(FOAr-UNESP)の研究チームは、 実験室での培養実験において、患者の歯茎に生じる疾患効果を模擬した多種細菌による複合バイオフィルムに対し、モリンの効果を検証した。

研究成果は『Archives of Oral Biology(アーカイブズ・オブ・オーラル・バイオロジー)』誌に掲載された。

本研究は、サンパウロ州立大学アララクアラ校歯学部(FOAr-UNESP)博士課程在籍中のルシアナ・ソレラ・サレス(Luciana Solera Sales)氏が、フェルナンダ・ロウレンソン・ブリヘンティ(Fernanda Lourenção Brighenti)氏の指導のもとで実施したものである。

研究は、サンパウロ州研究支援財団(FAPESP)による博士課程奨学金および海外研究インターンシップの支援を受けて行われた。共同研究者には、UNESPアララクアラ薬学部(FCFAr)のアンドレイア・バグリオッティ・メネギン(Andréia Bagliotti Meneguin)氏、アララクアラ大学(UNIARA)のエルナネ・ダ・シルバ・バルド(Hernane da Silva Barud)氏、そして英国バーミンガム大学歯学部のマイケル・ロバート・ミルワード(Michael Robert Milward)氏が名を連ねている。

ブリヘンティ氏は以下のように語っている。

「現在、粉ミルクの製造にも用いられる噴霧乾燥法(スプレードライ法)によって得られた微粉末を使用しています。この粉末は、さまざまな口腔衛生製品の開発に活用できる可能性を秘めています。特に、高齢者や特別な支援を必要とする方など、運動機能が低下して歯を十分に磨けない人々にとって、有効な補助的ケアプラットフォームとして役立つことを目指しています。」

モリンが選ばれた理由は、天然由来でありながら安価で入手しやすい化合物だからである。

「モリンは、さまざまな果物に含まれるフラボノイド(ポリフェノール)の一種です。しかし、単に摂取するだけでは効果を得ることはできず、適切な加工が必要となります。私たちは、この天然化合物の特性と利点を最大限に活かし、虫歯や歯周病の予防・治療に応用できる形へと変換することを目指しています」と、サレス氏は説明する。

研究グループでは、ブリヘンティ氏が中心となり、他の研究者らとともに複数の疾患に対して異なる種類の物質が効果的に作用できる「プラットフォーム」の開発に取り組んでいる。ブリヘンティによれば、天然由来の物質は一般的に水への溶解性が低いため、このようなアプローチが必要なのだという。

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