サイエンス

2025.12.01 15:15

「サメにとって沈黙の脅威」ハワイ大学、深海のマンガン団塊採掘に警鐘

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研究チームは、30種が排水プルーム(海底採掘の際に発生し、周囲の海洋生態系に影響を及ぼす可能性のある排水)の影響を受ける可能性があり、そのうち25種は採掘に伴う海底擾乱の影響も受ける可能性があることを明らかにした。また、多くの種が幅広い深度帯に生息するか深海潜行性であるため、採掘の影響が17種の深度範囲の半分以上に及ぶ可能性もあることがわかった。

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リスク評価による影響最小化

深海採掘は、ハワイ周辺海域から東太平洋に広がる広大な深海平原、クラリオン=クリッパートン帯で行われる可能性がある。適切な管理判断を行うためには、海洋生物やそれに依存する地域社会への潜在的影響を正確に把握する必要がある。

「サメとその近縁種は、主に乱獲によって地球上で2番目に絶滅の危機に瀕している脊椎動物群である」と、本研究の上席著者でSOEST海洋学教授のジェフ・ドレイゼン(Jeff Drazen)氏は述べる。

「その脆弱性ゆえ、深海採掘による環境リスクの議論において考慮されるべきであり、彼らの健康状態を監視する責任者は、採掘が追加的なリスクをもたらす可能性があることを認識しておく必要がある」

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採掘影響下での種保全に向けた提言

著者らは、採掘活動の影響下にあるこれらの種の保全を向上させるため、モニタリングプログラムの設置、環境影響評価への組み込み、保護区の設定など、複数の提言を行っている。

これらの提言は、国際海底機構(ISA)が環境影響評価を作成する際の規制として採用されることも、契約業者が科学的ベースライン評価を実施する際に活用されることも可能である。

「分析で特定されたサメ種の多くは移動能力が高く、広範囲の海域を移動することができる」とジュダ氏は述べる。「移動性が高く、かつハワイが採掘区域に近接していることを考えると、これらの海域での影響は、間接的に島嶼(とうしょ)周辺の生態系にまで及ぶ可能性がある」

さらにジュダ氏は、初期評価に含まれなかった種の分布域拡大についても研究と報告を続けており、これにより、採掘の影響を受けるリスクのある動物群に新たな種が追加される可能性がある。







※本稿は米国の独立系オンライン科学ニュースサイト「ScienceDaily」の記事からの翻訳転載である。

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